DeNA砂田毅樹投手(26)が7日、“珍願望”を口にした。横浜市内で契約更改。

推定年俸5600万円でサインすると、記者から来季に希望するポジションを問われた。「あまりいないと思いますが、便利屋みたいなポジションが好き」。勝ちパターン入り、あるいはセットアッパーやクローザーかと思いきや、意外な希望を明かした。

便利屋志望の理由を「人ができないところをやるのが好き。他の投手がつくったピンチを助けてあげる仕事ができれば。それだけではなく1イニングも。勝ちパターンのメンバーが3連投、4連投なら自分が抑えられれば」と語った。

“珍願望”の理由には、反省が根底にある。17年に62試合で25ホールド、18年に70試合で24ホールドと、2年連続でフル回転した。年俸は7200万円まで上がった。だが「17、18年(1軍に)フルに帯同して慢心していた部分があった」と告白。「結果だけを求めたり、いいところで投げさせてほしいという欲が出てしまった」と明かした。

19年、3年ぶりに長い2軍生活を送った。1軍と比べ、注目度ははるかに落ちる。「自分のそういう感情は必要なかったと再認識した。楽しむというか1球1球感謝して、重みを感じて投げる方が、いい方向にいく。よりよいボールが投げられると分かった」。勝利やホールドにとらわれることなく、ただ、目の前の打者に集中する方が性に合っていた。

今季は58試合に登板し、2勝2敗18ホールド、防御率3・24と好成績を残した。「今年は今までのシーズンで一番よかった」と自負するが、一方で「成績が良かった、悪かったで自分の気持ちを左右したくない」とも話した。来季も感情の起伏を避けながら、淡々と打者に向かっていくつもりだ。【斎藤直樹】(金額は推定)