巨人山下航汰外野手が、持ち味のバットコントロールの高さと積極性を示した。無安打で迎えた6打席目、西武のサイド左腕、小川の外角低めのボールをうまく拾って、三遊間を抜いた。結果は1安打だが、とらえた打球も多く、中身のある打席が見られた。「待つことしかできないんで、いい結果を待ちたいなと思います」と充実した表情で話した。

退路を断ち、野球人生をかけて、臨んだトライアウトだった。10月に巨人を自由契約となり、球団側からは来季も育成での再契約を打診されたが、他球団でのプレーを希望し「野球人生をかけて、悔いのないようにやろうと思った」とトライアウトを決断。両親からは「後悔のないようにやりなさい」と背中を押された。

1年目にイースタン・リーグで、イチロー(オリックス)以来の高卒新人でファームの首位打者を獲得した。大きな期待を受けたが、2年目は右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折するなど、ケガに苦しみ、今季は2軍で21試合に終わった。日本ハム新庄監督が取材に応じる前の午前の3打席で安打はなかったが、内容とポテンシャルの高さでインパクトを与えた。【久保賢吾】