阪神糸原健斗内野手(29)は11日、島根・出雲市内の出雲ドームで「プロ野球現役選手によるシンポジウム『夢の向こうに』in島根」に出席した。

島根県内の39校の高校球児、約160人を前に、身ぶり手ぶりで実演を交えて守備や打撃、バントのイロハを教えた。

バントの指導では「一塁線のギリギリを狙う必要はない。一塁手に捕らせればいいから中に入っても問題ない」と実際にバントして手本を示した。

ゴロ捕球の指導では、「薬指の付け根あたり(でボールを捕る)。その方が握り替えも早い。こっち(人さし指)の方だと遅くなる」と、コンマ数秒を争うプロならではのレベルの高い技術を教えた。

糸原は指導を終え「こうやって高校生に教える機会がないので、僕自身もとても楽しみにしていた。島根県の高校野球が強くなればいいなと思う」。心を込めて約4時間、指導にあたった。

◆シンポジウム「夢の向こうに」 2003年(平15)からプロとアマの垣根を取り払おうと、毎年12月に開催されている「野球教室」。普段はプロアマ規定で禁じられている直接指導が許されている。島根県での開催は2006年(平18)に松江市の島根県民会館で開催されて以来15年ぶり。今回の参加選手は阪神糸原、巨人戸根、広島ケムナ、同森浦、DeNA田部、オリックス佐野如、ロッテ植田、同山口、楽天松井、日本ハム梅林。

 

○…元近鉄、日本ハム監督で浜田出身の梨田昌孝氏(68=日刊スポーツ評論家)がサプライズゲストで登場した。バットの軌道や軸足の使い方などについて、選手1人1人丁寧に打撃指導を行った。「50年前がちょうど高校3年生。時がたつのは早い。この中から何人かプロ野球選手が出てほしいと切に願っている。いい記念になった」と、笑顔で故郷の球児の成長を願った。