オリックスのドラフト1位東北福祉大・椋木(むくのき)蓮投手(21)が「炎のストッパー」と呼ばれた故津田恒実さんの魂を継承する。新人選手入団会見から一夜明けた12日、同期9人と大阪市此花区の球団施設を見学。充実ぶりを目の当たりにし、プロでの奮闘を誓い、同郷の大先輩に言及した。

「ちょっと気になって調べてみたら、カープの津田恒実さん以来でした」と明かしたのは、山口県の高校出身のドラフト1位。椋木は、南陽工から社会人の協和発酵を経て81年に広島から1位指名された津田さん以来、40年ぶりに生まれたドラフト一番星だ。高川学園時代は「津田恒実メモリアルスタジアム」の愛称で知られる周南市野球場で県予選を戦い、甲子園を目指した。映像などでも投げる姿を見たことがないが、伝説の投手は認識していた。

津田さんの座右の銘「弱気は最大の敵」は、100勝100セーブを目標にプロ1年目に向かう椋木にとっても金言になる。幕末の歴史の大転換期に活躍した吉田松陰や伊藤博文ら山口の先人の気概も受け継ぎ、いずれ「山口県といったら椋木、というようになりたい」と、志高くプロに挑む。【堀まどか】

◆山口県 人口132万6495人(21年11月1日現在)。面積は6112・54平方キロ(20年10月1日現在)。主要都市は県庁所在地の山口市や下関市、岩国市、萩市など。県勢の甲子園成績は春夏通じて113勝130敗で優勝回数は春夏各1度。春は63年下関商、夏は58年柳井が優勝している。県勢で春夏合わせて最多出場は下関商の23度。次いで宇部商の19度、岩国の12度、柳井の11度と続く。昨年の春は下関国際が出場し、1回戦敗退。夏は高川学園が出場し、2回戦敗退だった。元ダイエーの大越基氏が監督を務める早鞆がある。(人口と面積は山口県HPから)。