DeNA中井大介内野手(32)は来季から「ゲームアナリスト」に転身する。他球団でいうスコアラー。配球データなどを収集、分析して、選手や首脳陣などに相手投手や打者の攻略法を助言する仕事だ。取材時のこぼれ話を紹介する。【斎藤直樹】

【さよならプロ野球】中井大介 平成生まれ1軍初本塁打も自信持てなかった

◆今なら二刀流に挑戦? 高校時代は最速146キロの投手として、甲子園にも出場している。「高校の時は投手が主だった。投手をプロでやりたい、やれるのではという思いより、打者の方がやれる可能性があるかなぐらいだった」。エンゼルス大谷翔平が活躍する現代なら、二刀流が検討されたのではないか? 「大谷選手と比べると次元が違いすぎる。そんなに甘い世界じゃないと分かっていた。打者で頑張りたい気持ちが強かった」と即答。

◆平成生まれ初本塁打 09年9月11日の広島戦でプロ初アーチを記録した。これが平成生まれの選手では初本塁打。「実は前日に本当は2軍に落ちるはずだったと後から聞きました。ホームランを打った日は広島への移動試合。2軍に合流する予定が、前日にけがで選手の入れ替えがあって、1軍に残してもらった。知らずにスタメンで頑張ろうと思っていたのですが、不思議というか」。平成元年生まれで同学年には中田翔、丸佳浩らがいる。「同級生はすごい選手がいた。僕は注目されずに入ったので、まさかこんなになるとは。たまたま最初に打てたという話。新聞でも取り上げてもらって、ありがたかったですが」。

◆巨人第83代4番 15年4月29日の中日戦で初4番に。「入る前も、入ってからはもっと、全然想像がつかなかった。ホームランもそんなにたくさん打てる選手ではないですし。1試合だけでしたが、打てなかった。監督やコーチに期待してもらったので、その試合で活躍したかったという思いの方が強い」。

◆戦力外通告 巨人では「率直に驚いた。まだ今年は大丈夫かなと思っていた。結果はいいものを出してなかったので、自分の問題だった。戸惑いはありましたが『なんでだ』とは思わなかった」。DeNAでは「ジャイアンツの時よりは、受け入れる気持ちはあった。1度経験して、より身近に感じていた。結果出せなければ1年でそうなると、エネルギーにして1年1年ベイスターズでやっていた。今年は力になれなかったし、けがもあった。戦力外の対象になるのかなという思いもあった」。

◆中井アナリストなら中井選手をどう攻めるか 内角に弱いつもりはなかったが、データを見ると内角攻めが多かった。「ファウルにしてカウントが稼げるデータが多かった。近めに速く、遠くに変化球というオーソドックスな攻め方ですかね」。仮想勝負に臨んでくれた。