ロッテ和田が24盗塁をマークし、初の盗塁王に輝いた。出場試合は昨季より増えたが、打席は昨季よりも少ない24打席。

規定打席に到達しないで打撃タイトルをとった選手は昨年盗塁王の周東(ソフトバンク)や12年本塁打王のバレンティン(ヤクルト)らがいるが、100打席以下で獲得は、36年秋に60打席で本塁打王の藤村富美男(タイガース)44年に93打席で盗塁王の呉昌征(阪神)に次いで3人目。試合数の少ないシーズンでの例はあったが、2リーグ制後では初のケース。24打席は1リーグを含めても史上最少打席でのタイトルだった。

「データで見る ロッテ・和田康士朗編」PDFはこちら>>

出場は96試合で、チーム全体の3分の2ほど。数の多さで争う盗塁王は出場が多くなるほど有利になり、今季までの延べ172人の盗塁王のうち、全試合出場は同僚でタイトルを分け合った荻野ら55人。チーム試合数の90%以上の出場が141人を数える。和田のようにチームの70%未満の出場試合で盗塁王になったのは、02年赤星(阪神)以来4人目だった。和田は96試合のうち先発が2試合だけ。先発10試合未満での盗塁王は史上初めてだ。

盗塁はすべて途中出場でマークした。先発以外の94試合で24盗塁で、そのうち代走は62試合で21盗塁。途中出場だけで20盗塁以上したのは79年藤瀬(近鉄)以来6人、7度目で、代走で20盗塁に限ると、48年山本尚(中日)78、79年の藤瀬しかおらず、和田が3人、4度目だった。代走は盗塁機会が限定される上、相手バッテリーからの警戒も一層強くなるだけに、先発時のように数を増やすのは難しい。史上最少打席でのタイトルも珍しいが、過去2人しか達成していなかった「代走20盗塁」はかなりハイレベルな珍記録だった。【多田周平】