開幕1軍へ猛アピールだ。広島・廿日市市の大野練習場で新人合同自主トレを行っている広島ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)と同2位の森翔平投手(24=三菱重工West)が16日、そろって今年初のブルペン投球をした。

佐々岡監督も視察に訪れ、即戦力左腕2人の快投を見届けた。直接の対話こそなかったものの、ともに最速150キロ超の左腕が、指揮官に剛腕を披露した。

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パンッ、パンッと乾いた捕球音が大野練習場にこだました。即戦力としての期待が大きい2人の左腕、最速152キロの黒原と最速150キロの森が、今年初のブルペンに入った。ともに捕手を立たせ、黒原は25球、森は30球を投じた。佐々岡監督も今年初めて大野練習場を訪れ、左腕2人の動向に熱視線を送った。接触機会を減らすため、2階の離れたところから左腕2人のブルペン投球を見守り、「後ろからではないので球筋は見られなかったけど、ともにバランスよく投げていた印象。順調に仕上がっていると思う」と、充実した合同自主トレの成果に目尻を下げた。

指揮官が感心したのは、マウンド上だけではなかった。「キャッチボールからずっと見ていたけど、2人とも考えながら投げていた」。経験豊富な2人は、キャッチボール段階から創意工夫を凝らしていた。黒原は相手に正対し両足を肩幅程度に開き、前後の体重移動が使えない中で20~30メートルを投じていた。「1回、左足に乗せてから、右足に体重を移動させて投げるピッチングをイメージして」と“正対投法”を取り入れ、体重移動を体にたたき込んだ。森も工夫していた。積極的にカーブを投じながら肩をつくっていた。その意図を「力感なく、スッと前に出られるフォームで投げたいので、その意識付け」と明かした。

指揮官とは直接の対話はなく、1日を終えた。黒原は「(監督)来てたんですか?」と練習後に報道陣から伝え聞き、驚きの様子。ブルペン投球を振り返り「ちょっと抜け気味だった。明日以降修正していけたら」。森は「(監督が来たのは)聞いていたが、会ってはいない。今は強い球を意識して徐々に(状態を)上げて。まだまだこれから」。期待のドラフト1位&2位の2人は、じっくりと調整を重ねる。【前山慎治】