ロッテ小野郁投手(25)が「8回の男」になる。24日、ZOZOマリンで自主トレを公開。昨季は中継ぎで自己最多の49試合に登板したが、満足感は薄い。「去年は8回を任された時もあったけど、全然結果が出なかった。自分を見つめ直して、いい時と悪い時の差をなくす。もう1回、勝ちパターンで投げられるようになっていきたい」と定めた。

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昨季は開幕直後、守護神益田にバトンを渡す8回を託された試合もあった。だが4月3、4日の日本ハム戦、同9日の西武戦と8回に崩れた。その後、抹消と再昇格を繰り返しながら防御率3・48と一定の数字を残すも、8回の座は戻ってこず、佐々木千が定着した。「向かっている時は気負いすぎて力んだり、今持っている力以上のものを出そうとした。いつ投げるにしても同じ精神状態で、投げられればもっといい結果が出たのかなと」と反省点がある。

精神面の強化へ、鍛錬に突き進む。益田らとの自主トレでは体幹を重点的に鍛える。充実した時間を過ごし「(楽天から)ロッテに来る前までは1月はそんなに意識して練習していなかった部分もある。去年の自主トレから益田さんと一緒にやらせてもらって今までにないぐらい練習してるという思いも出てきている。日々自信がついていっている」と実感がある。

ポテンシャルは誰しもが認めるところ。昨年2月末のオープン戦で160キロを計測。その日は他の直球の球速帯が149~155キロだったことから、大台到達かは不透明だ。だがチームではDeNA時代に最速161キロをマークした国吉に次ぎ、160キロ超えを果たす可能性がある。「160キロは魅力的だけど、こだわるとそれ以外のことに支障が出て、いい結果が出ないのかな。出たらいいなという感じです」と柔軟だ。

西日本短大付出身でBIGBOSSこと日本ハム新庄監督の後輩にあたる。意識はあるかと聞かれ「そういうのはあんまり…。任された試合は全部抑えるという気持ちなので、どことやっても変わらないと思います」と冷静。それよりも照準は定まっている。「勝ちパターンをいつでも任せてもらえるように、しっかり準備して、任された時には結果を出して、ポジションをつかめるようにしたい」。小野が22年版・勝利の方程式の一角に割って入る。【広重竜太郎】