日本ハム、阪神で活躍した今成亮太氏(34)が、新庄剛志監督の就任で注目される沖縄での春季キャンプに迫る。1軍の名護、2軍の国頭で練習するチームに密着。「今成亮太のキャンプリポート」と題し、キャンプ期間中の毎週木曜日に、期待される選手やチームの動向を独自の視点で紹介する。

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皆さんお久しぶりです。今成亮太です。約10年ぶりにファイターズに戻ってまいりました。今回、ファイターズの春季キャンプを中継するGAORAのリポーターを務めることになりました。1カ月、名護に滞在することになり、なんだか故郷に戻って来たような感覚です。私もキャンプインですね!(笑い) 皆さんにキャンプの様子を少しでもお伝えできたらいいなと思っています。

新庄BIGBOSSがキャンプ初日、かいぎんスタジアム国頭に訪れたことにより、BOSS組(ファーム)の選手たちは目の色を変えて練習に取り組んでいました。その中で私が注目したのは上原健太投手? 野手? です。昨年から二刀流にチャレンジしている彼の最大の特徴は、なんといっても身体能力の高さ!! 楽天に移籍した西川遥輝選手よりも足が速い。足が速い=地面を捉える能力が高い=下半身の使い方がうまい、と私は考えます。

このような身体能力が高い野手はうらやましい限りです。なぜなら凡打が内野安打になる可能性が高い。西川遥輝選手や、阪神の糸井嘉男選手をイメージしていただけたら分かるでしょう。誰もがアウトと思うような平凡な打球でもヒットになってしまうのではとワクワクさせてくれる選手になると期待しています。

また、左投げ左打ちという特徴もあります。左打者は右手でコントロール、左手でパワーという説明が分かりやすいでしょうか? 彼の場合、左利きという元々の特徴がパワーに直結してくると考えます。先ほど紹介した地面を捉えるうまさ、下半身のパワーと左手の上半身のパワーが融合した時の飛距離は、想像しただけでも楽しみです。ただ、投手に合わせるタイミング、ベース上で伸びてくるプロの投手の球、キレのある変化球への対応など、課題は山積みです。これらをクリアした時、上原健太という選手は間違いなくファイターズの超新星になるでしょう。

◆今成亮太(いまなり・りょうた)1987(昭62)年10月6日、埼玉県生まれ。浦和学院時代は2年夏と3年春に甲子園出場。05年の高校生ドラフト4巡目で日本ハムに入団。12年4月にトレードで阪神移籍。18年に現役引退。プロ通算470試合に出場し、打率2割6分5厘、6本塁打。19年に阪神の球団職員になり、タイガースアカデミーのコーチに就任。昨年限りで退職して解説者に。父は阪神と日本ハムでスカウトを務めた今成泰章氏。