ソフトバンク育成の藤井皓哉投手(25)が、宮崎キャンプの紅白戦で圧倒的な投球を披露した。

白組の4番手で7回に登板し、1回を3者連続空振り三振。先頭の三森に対しては、藤本監督がフォークとスライダーの中間「フォースラ」と表現した武器で、佐藤直、栗原はともに直球で仕留めた。「思い切った球を投げて勝負することができました」。前回16日の紅白戦も2回無安打無失点、3奪三振。2戦続けて猛アピールした。

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チームで最も大きな背番号157をつけた右腕に対し、指揮官は「完璧。この状態でずっと投げられるなら、勝ちゲームでも使える。後ろから見ててボールの強さが違うもん」とべた褒め。勝利の方程式は又吉-モイネロ-森で基本構想を練る中、「今日は特に最高やった。こういうピッチングしてたら、当然支配下も近い」と大どんでん返しをにおわせた。

14年ドラフト4位で広島に入団し、通算14試合で20年に戦力外。昨年は四国IL・高知でプレーし、通算22試合に登板し、2完封含む3完投で11勝3敗、防御率1・12と安定した成績だった。中でも、5月9日のソフトバンク3軍戦で無安打無得点を10奪三振で飾ったのが、球団の目に留まり、12月に育成契約を結んだ。

最速は152キロ。独立リーグ時代に習得したスライダーにも「バッターが『合わないな』という反応が見られるので、使える球なのかな」と手応え十分。「今日のようなピッチングをどんどん続けていくことが大事だと思う」。再び戻ったNPBの世界。「炎の中継ぎ」と呼ばれた元ダイエーの故藤井将雄氏と同姓の右腕が、支配下復活へ、着実に歩みを進めた。【只松憲】

◆藤井皓哉(ふじい・こうや)1996年(平8)7月29日生まれ、岡山県出身。おかやま山陽から14年ドラフト4位で広島に入団。通算14試合登板で1勝0敗、防御率7・94。6年目の20年限りで戦力外となり、21年は四国IL・高知に所属。同12月にソフトバンクと育成選手契約を結んだ。最速は152キロ。球種はカットボール、スライダー、フォークなど。背番号157。183センチ、89キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は550万円。

◆藤井将雄(ふじい・まさお) 1968年(昭43)10月16日、佐賀県生まれ。唐津商-日産自動車九州を経て94年ドラフト4位でダイエー入団。99年は最優秀中継ぎ投手に輝き、チームの日本一に貢献。このときから既に病魔に侵され、00年の日本シリーズ直前の10月13日、肺がんのため31歳で死去。背番号15は球団の準永久欠番となっており、番号にちなんでペイペイドームの15番通路が「藤井ゲート」と呼ばれている。