中日鈴木博志投手(24)がオリックス戦(刈谷)でプロ入り初先発し、上々のアピールを果たした。

パ・リーグ王者のオリックス打線を相手に5回6安打無失点。得点圏に走者を置きながら、新球が威力を発揮し、開幕ローテ入りへ1歩前進した。

侍ジャパンの守護神などを務めた大塚投手コーチから伝授された「落ちるカットボール」が生き、相手打線から三振を積み上げた。5回に先頭の若月に二塁打を許したが、佐野皓からツーシームで空振りの三振を奪うと渡部、安達からカットボールで連続三振。最速150キロの直球に130キロ前半のカットボールで封じた。「ピンチのたびに、ここで抑えないといけないと思った。集中力も高まった」。社会人ヤマハ時代の17年の都市対抗予選以来の先発マウンドを振り返った。

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17年ドラフト1位で入団し、19年は開幕から守護神を務めたが、6月に2軍落ち。制球難から昨年はサイドスローにフォーム改良し、復活を模索した。「中継ぎの時は悪くなってくると、自分で自分を追い込んだ」。長いトンネルから抜け出すために、昨秋からフォームを上手投げに再出発した。2月の春季キャンプ序盤に落合ヘッド兼投手コーチから先発転向を打診。「ワクワクした。ルーキーの感覚。先発を含め、どこでも投げる気持ちで準備をしていた」。5回無四球の結果につなげた。

大野雄、柳、小笠原の先発3本柱は元ドラフト1位。4番手以降には福谷、岡田、高橋宏ら他の1位も候補として並ぶ。「今年は先発のポジションを奪うのもあるが、初心に帰るつもりでやる」。5年目右腕が先発転向で復活の扉を開けた。【伊東大介】

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