仙台6大学野球が今日9日開幕する。昨秋覇者で15年以来7年ぶりの春優勝を目指す仙台大は8日、約4時間の練習。フリー打撃、守備練習等で汗を流し、春本番に向け準備を整えた。小笠原悠介主将(4年=北海道栄)は「全勝優勝を目指したい」と決意表明。開幕節は宮教大と対戦する。

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15年以来7年ぶりの春のリーグ制覇を期す。小笠原主将は決意を口にした。「優勝するためには全勝が必要になってくる」。無傷の10勝で春の頂点へと駆け上がるつもりだ。

木製バットの快音が響き渡るフリー打撃。低めのボール球を見極め、甘く入った球をコンパクトにはじき返す。小笠原主将は「四球もヒットと同じ。ボール球を見極め、打者全員がつなぐ意識を持っている」と言う。昨秋の育成ドラフト、ソフトバンク2位指名の川村友斗外野手(22)のようなスラッガーはいない。各打者が自分の役割に徹し、打線がつながっての得点という形を目指す。

昨秋は17年秋以来のリーグ優勝を果たし、神宮大会に出場した。優勝の原動力となったエース左腕・長久保滉成(4年=弘前学院聖愛)と、サイド右腕・川和田悠太(3年=八千代松陰)の経験豊富な両投手が残っており、春にも期待がかかる。森本吉謙監督(47)は「昨年と同じでは勝てないですけど(両投手とも)バージョンアップしてくれています」と目を細めた。コロナ禍で関東遠征など対外試合は自粛となり、実戦経験は少ないが「言ったらきりがない。例年と比べたら確かに未知数な部分が多いけど、ある意味それは可能性。楽しみです」と、言い訳はせず、1戦1戦最善を尽くして戦う。

リーグ戦は対宮教大からスタート。小笠原主将は「チーム一丸で戦っていく」と力を込めた。みちのく「春の陣」。仙台大ナイン、いざ出陣だ。【佐藤究】