広島が今季6度目の逆転勝利で首位をガッチリと守った。殊勲の一打は坂倉将吾捕手(23)だ。同点に追いついた直後の3回1死一、二塁で決勝の右前タイムリー。2連勝で2位巨人とは1ゲーム差となり、貯金は今季最多の「7」。広島ナインが粘り強さを発揮し、快進撃は続く。

【関連記事】広島ニュース一覧

####    

あっという間に試合をひっくり返した。2点を追う3回だった。マクブルームの2点適時打で同点に追いつき、なお1死一、二塁の好機で坂倉が打席へ。1ストライクから中日岡野の低め変化球を右前にはじき返した。「思いっきり振り抜けた。強く振れたのが良かった」。二塁走者が生還し、勝ち越しに成功。今季初めて勝利打点を挙げた。

今季打率は3割3分3厘だが、得点圏打率は5割ジャストとさらに跳ね上がる。「つなぐ意識を皆が持ってやっている。その中で結果が伴っている。こういう気持ちは忘れてはいけない」。徹底したつなぎの意識が勝負強さの秘訣(ひけつ)だ。そして今季6度目の逆転勝ちというチームの粘りを生んでいる。佐々岡監督は「つながって1点1点取るのが今年はハマっている。集中打などいい流れできている」と目尻を下げた。

坂倉は今季初めてお立ち台に上がり、大きな拍手を浴びた。「なかなか、いい場面で打てていない感じがあった。1打席目は(2死一、二塁の)チャンスで凡退した。なんとかやり返そうと思って、2回目のチャンスで打てて良かった」とホッとした表情を見せた。試合のなかった15日にチームは首位に浮上。連勝で2位巨人に1ゲーム差とした。指揮官は「1試合1試合…」と引き締めたが、雰囲気はいい。前回敵地で同一3カード3連敗を喫した中日から今季初勝利。上昇気流に乗って、広島が首位固めに入る。【前山慎治】