広島打線がまたも沈黙した。「日本生命セ・パ交流戦」楽天3回戦(楽天生命パーク)で2桁10安打を放ちながら、1得点に終わった。序盤の先制機を逃すと、その後はちぐはぐな攻撃が続いた。9回に9試合ぶり先発の長野の適時打で連続無得点イニングを止めるのが精いっぱいだった。佐々岡真司監督(54)も思わず嘆く貧打ぶりで、今季初の借金生活突入となった。

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土壇場9回1死一、三塁から長野が中前打でチーム20イニングぶりの得点を奪うも、焼け石に水だった。2桁10安打もわずか1得点。交流戦12球団で唯一本塁打がなく、26得点も12球団ワースト。16年阪神が記録した3本塁打、44得点の交流戦最少記録を下回るペースだ。15試合連続本塁打なし。もし10日もアーチが出なければ、球団創設5年目の54年16試合連続本塁打なしという球団ワースト記録に、68年ぶりに並んでしまう。

佐々岡監督 今はずっとなかなかつながっていかない。最初の2回(走者を出しながら無得点に終わった3回と5回)のところでしょうね。積極的に打つのはいいですけど、打つ球を絞ればというところで…。

試合後、佐々岡監督は貧打から抜け出せない打線を思わず嘆いた。直球とカーブやチェンジアップの緩急に加え、投球動作の緩急を付けた円熟の楽天岸に、手も足も出なかったわけではない。0-0の3回には1死一、三塁とした。1、2番の強攻策も、2者連続フライアウト。裏目となった。2点を先制された直後の5回は、2安打も盗塁失敗などもあり、得点圏にすら進められない拙攻で流れを変えることもできなかった。

劣勢の終盤は毎回得点圏に走者を進めた。7回は2死走者なしから満塁とするも、中村奨が見逃し三振に倒れた。8回は無死一塁から2番菊池涼に初球犠打を選択。指揮官の「打線がつながらないので」という期待も、消極的な策で勢いは生まれなかった。

2カード連続負け越しで今季初めて借金を背負った。4勝11敗で最下位に沈む交流戦も残り3試合。10日からの西武3連戦を残すのみ。佐々岡監督は「結果をしっかりと受け止めて、また明日から3日。あと3つ頑張ります」と締めた。勝利のためにも、攻撃で突破口を見いだしたい。【前原淳】

▼広島は5月22日中日戦で堂林が本塁打を打ったのを最後に、交流戦開幕の同24日ロッテ戦から15試合連続で本塁打がない。セ・リーグで15試合以上本塁打が出なかったのは、ワースト3位タイ。リーグ最長は52年松竹の18試合。広島では54年に記録した球団ワーストの16試合にあと1試合で並んでしまう。

▽広島朝山打撃コーチ とにかく本塁打、長打力は開幕したときからあまり出ていない。1発ドカンというのは望みにくいので、開幕の頃にできていたような攻撃を残り3つで何とかやっていくしかない。

○…今季7戦目のスタメンとなった長野が、チーム23イニングぶりの適時打を放った。0-4の9回1死一、三塁。カウント1-2から宋家豪の内角球に詰まりながらも中前に落とし、適時打とした。チームとしては7日楽天戦の5回以来の適時打。また9回に得点を挙げるのは、3月29日阪神戦(マツダスタジアム)で2点を取って以来、72日ぶりとなった。

○…先発九里は6回114球を要して2失点に抑えたが、打線の援護なく4敗目となった。4回に3安打で1死満塁とされ、武藤に先制中犠飛。続く西川に右前適時打を許し、2失点。「球数も多く、リズムも良くない中で先に失点してしまった。テンポの良い投球をできるように反省して次に臨みたい」。自身3戦ぶりにクオリティースタート(先発し6回以上、自責3以下)を達成したが、勝ち星は恵まれなかった。

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