ロッテ小島和哉投手(25)が6回1失点の好投で、今季10試合目の登板、開幕から約2カ月半にしてようやく1勝目を挙げた。

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ロッテ小島が今季投げた球は1055球に達した。春がとうに終わっての1勝目。最終回を締めたゲレーロには抱いて持ち上げられた。前回先発のヤクルト戦ではゲレーロが崩れ、白星が消えている。「うれしいです」。お立ち台の言葉に感謝が込められる。

うれしい-。昨季が終わり、真顔で話した胸の内がある。「僕自身、野球って誰かのためにやるものなんです。その方が頑張れるタイプ。親が見に来るとか、チームのために頑張ろう、とか」。だから皆が寄ってくる。仲間は優しいから、自分が投げて勝てないと逆にしんどい。「お前のせいだよバカ、って言われた方が楽な時もあります」。誰からもそんなことは言われず、また努力して誰かのために投げる。誰かが報われる。小島の5敗はチームを強く束ねた。【ロッテ担当 金子真仁】