中日小笠原が壁を破った。今季最多の119球を投じ、7回4安打無失点。自己最多11個の三振を積み上げ、チームを連勝に導いた。

作ったピンチは自ら封じた。0-0で迎えた4回、ストレートの四球と二塁打で無死二、三塁のピンチを招いた。だが、この日最速の150キロの直球に、カーブ、チェンジアップなどの変化球を織り交ぜた。阪神4番佐藤輝に134キロチェンジアップで空を切らせ、続く陽川は3球目カーブで空振り。山本もカーブで3者連続空振り三振。鮮やかに窮地を脱した。「ゴロでも1点は入る。何としてでもというところで、三振を3つ取らないといけないケースで取れて良かった」。左腕は胸を張った。

6回も先頭島田に右前打。2死一、二塁に広がった危機も陽川を132キロのチェンジアップで空振り三振に封じた。小さく左拳を握り締め、ゼロが並んだスコアボードを見つめてふーっと一息をついた。「先に点を取られた方が負けると思って先週も投げていた。今週もそういうゲームになるかなと思った」。ともに甲子園V経験の阪神藤浪との対決で、7回までゼロを並べ投げ勝った。7月19日DeNA戦から、これで24イニング連続無失点。2年連続規定投球回到達も射程に入れた。

「明日から練習でもっとレベルアップできるようにやっていきたい。最多11奪三振? そういう時もあります」。東海大相模(神奈川)のエースとして15年夏の甲子園で頂点に立った左腕が目指すものは、まだまだ先にある。【伊東大介】

▽中日立浪監督(小笠原の投球について) (4回無死二、三塁から)3者連続(奪三振)は非常に大きかった。スタミナも確実に(上がり)克服できていた。

○…岡林勇希外野手が貴重な決勝犠打を決めた。0-0で迎えた6回1死二塁で、阪神藤浪の暴投で1死三塁に好機が広がる。すかさずカウント3-1から一塁へのスクイズを成功させた。「(藤浪は)いい投手で点を取るのが難しい。1発で決められたので自信にしたい」と笑顔。8回1死三塁では遊ゴロ野選も誘発させ、この日の全打点を挙げた。

【関連記事】中日ニュース一覧