諦めない! 楽天が執念の逆転勝ちを決めた。先発釜田が大乱調。1回に4点を失う苦しいスタートとなったが、直後の攻撃で打線が奮起した。

投手が打たれても、打線がカバーすればいい。全員野球でソフトバンクとのカード3連敗を阻止し、優勝戦線に踏みとどまった。

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つないで、つないで-。楽天打線が集中打で白星をもぎ取った。試合の流れが早々と決まりかけた1回。先頭西川が冷静に四球を選ぶと、反撃が始まった。3安打と押し出し四球で同点とし、1死満塁で炭谷に回ってきた。「なんでもいいから勝ち越したい」。板東の147キロ直球に詰まりながらも、右前にポトリと落とした。西川も続いて、1イニング7得点。1回の攻防だけで53分が経過した消耗戦。長かった序盤で、試合をひっくり返した。

死に物狂いで勝ちにいく。1点差に迫る適時二塁打を放った銀次が「バットに当てれば何かことが起こせると思った」といえば、とどめの一撃を放った西川は「必死で打ちました」。シーズンは残り31試合。序盤は首位を独走したが、貯金が最大18から消滅する史上初の屈辱も味わった。今は4位に甘んじているが、簡単に優勝を譲るわけにはいかない。全員が目の色を変えて立ち向かう。

打線は、リーグ2位の得点力を誇る。4点差からの逆転勝利はこれで今季3度目。石井GM兼監督も「4点という大きい失点を与えてしまった。その後の7点というのはリリーフ投手に勇気が出た7点だった」という。投手が点を取られても、最後まで何が起こるか分からない雰囲気がある。

順位は4位のままだが、首位ソフトバンクとの差を2・5に縮めた。百戦錬磨のベテラン捕手は「1試合ずつですよね。やっぱり下から追っかけるものはね、強いのでね。上にいって追っかけられる立場より。そう思っているので、ここからというより、もう1試合1試合、ガンガンいけたらなと思います」と目をぎらつかせる。残り31試合。全勝するつもりで次の戦いへ挑む。【湯本勝大】

▽楽天石井GM兼監督(1回の打線について) 4点という大きい失点を与えてしまった。その後の7点というのはリリーフ投手に勇気が出た7点だった。

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