ペナントレース終盤の勝負どころで、ベテランが仕事を果たした。ソフトバンク和田毅投手(41)が、中15日で上がった、久々の先発マウンドで5回2失点で今季5勝目。首位キープに貢献した。

和田は初回2死で浅村に先制ソロを許したが、引きずらなかった。2回は2死から味方失策で走者を出したが無失点。3、4回は危なげなく打者3人ずつで片付けた。3点リードの5回に西川の犠飛で1点を返されたが、リードを保ったまま救援陣にバトンを託し「先制点は取られてしまいましたが、粘っていけば必ず野手が何とかしてくれるという気持ちで投げました。守備にも助けられ最低限の仕事はできたと思います」と振り返った。

和田は、千賀らが不在で苦しいチーム状況だった夏場にフル回転。疲労などを考慮し、前回登板した8月21日の日本ハム戦後に出場選手登録を抹消され、登板間隔を空けていた。リフレッシュを経ての好投に藤本監督は「飛ばしてくれましたね。しっかりゲームをつくってくれている。今年に限っては、失敗がほぼない」と絶賛。それでも和田は「いつも5回で降板して申し訳ありません」と、責任感をにじませた。

勝率差で首位を守りながら、試合前時点で2位西武、3位オリックスまで3チームが0ゲーム差だった。この日も西武は勝ち、0差のまま背後にぴったりくっついてきている。NPB通算148勝目を挙げた、経験豊富な和田が、終盤戦で輝く。【山本大地】

○…三森が貴重な中押し打を放った。2-1の4回2死一、二塁で、滝中の100キロカーブを中越えにはじき返した。リードを3点に広げる三塁打に「反応です。(カーブは)前の打席もきていたので、タイミングは合わせられました」と、巧みなバットコントロールを見せた。4日西武戦では満塁の好機で凡退。バットをたたきつけるなど悔しさを見せたが「1試合1試合が大事。1打席でいい結果を出せるように」と引き締め直した。

○…柳田がコロナ感染から復帰後初打点をマークした。同点の3回1死一、三塁で滝中の直球をとらえ、右前に決勝適時打を運んだ。「大事なカード頭で、チームの勝ちにつながるヒットを打つことができて良かったです」。この日コロナ感染から復帰した周東は、1回の第1打席で中前打を放ち、先制のホームを踏んだ。同様の牧原大も4回に一犠打で三森の2点打をお膳立て。役者がそろってきた。

○…守護神モイネロが今季20セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板し、あっさり3者凡退。8試合連続無失点とし、防御率も0・82と良化した。左腕は「納得のいく投球でした。チームが勝つことができて良かったね。明日からも頑張るよ」と、満足顔だった。

▽周東(新型コロナ陽性から復帰し、1安打2得点)「初回にヒットでチャンスメークすることができ、得点につながった点は良かったです。とにかくチームが勝てたことが何よりです。明日はもっともっと頑張ります」

▽藤井(8回に登板し、3者三振で17ホールド目)「最近、塁上を賑わせていたので、久々に3人で終われたことが本当に良かった。三振にこだわるというよりは、早めに追い込めた結果かなと思います」

▽牧原大(新型コロナ陽性から復帰。無安打も犠打などで貢献)「とにかく自分の成績よりも、合流した試合でチームが勝つことができてホッとしています」

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