逆転Aクラスへ弾みをつけるべく、広島大瀬良大地投手(31)が16日の敵地DeNA戦に先発する。チームは残り8試合で3位阪神に2ゲーム差の5位に沈むが、直接対決も2試合あるだけに十分希望はある。今季のエース右腕は苦しい投球が続くが、先発先陣で開幕最長6連勝や5連勝のきっかけをつくるなど影響力は大きい。DeNA、中日との変則4連戦の初戦を託された大黒柱に、景気づけの白星を期待だ。

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22年佐々岡カープの行方を決定づけるであろう4連戦が始まる。横浜でDeNA2連戦、広島に戻り中日2連戦という変則的な4連戦。その先陣を大瀬良が切る。「チームが勝つためにできる仕事をまっとうできるように。何とかCS圏内に入って、次につなげていけるように頑張りたい」。3位阪神に2ゲーム差をつけられ、今季残すは8試合のみ。逆転CSへ最後の力を振り絞り、チームの勝利のためだけに右腕を振る。

今季はエースらしい働きはできていない。21試合に先発して8勝8敗、防御率4.51。苦しい登板が続く。状態が上がらず、8月には約3週間離脱した。前回9日のヤクルト戦も6回途中7失点と、精彩を欠いた。球質は上向いているように感じられたが、要所で制球が甘くなった。「スライダーの精度を見直した。ほかの球はいい感覚を継続できるように。あとは結果を出すためにいい球を投げられれば」。課題をつぶし、名誉挽回の登板に臨む。

思うような結果を残せていない今季も、チームに大きな影響を与える存在に変わりはない。大瀬良の登板日にチームが勝つと8度、連勝を記録している。今季最長の6連勝も大瀬良の開幕戦勝利から始まり、戦列復帰した今月2日の勝利からは5連勝となった。常にチームを背負って投げてきた。残り8試合となった最終局面でチームを勢いづけられるのは、大黒柱の大瀬良しかいない。

好相性のデータも追い風にしたい。DeNAは昨季から11度対戦して無敗で8連勝中。苦しい投球が続く今季も、5戦4勝、防御率1・42の好成績を残している。「正直、そんなに抑えている感覚もない。数字ほど、投げていて気持ちよく投げているわけではないので。1番から下位打線まですごい打者が並んでいるので、必死に投げているだけ」。お得意様でも油断はない。2ゲーム差の阪神とは直接対決が2試合残っており、食らい付いていけば道は開ける。快投で逆転Aクラスに弾みをつける。【前原淳】

○…玉村は17日の敵地DeNA戦に先発する。11日巨人戦の中継ぎ登板をへて、白星を挙げた4日DeNA戦以来の先発。本拠地での前回対戦は6回を無失点に抑えたが、敵地では8月19日の4回4失点など、昨季から2戦2敗で防御率8・38と苦戦している。「あまりいい思い出はない。何とかいい投球というか、1イニング1イニング全力で抑えていきたい」。無心でぶつかり、勝利を導く。

○…遠藤は18日のホーム中日戦先発が見込まれる。レギュラーシーズンでは最後の先発登板となる可能性が高い。前回11日の巨人戦は3回途中5失点。課題が残っただけに「1年間の総括じゃないですけど、いいものを出しながら終わることができれば」と引き締める。先発ローテーションに定着したシーズンの集大成を見せる。

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