今季限りでソフトバンクを退団することになった松田宣浩内野手(39)が28日、ペイペイドーム内で会見を行った。松田は「球団から来季の構想外ということを伝えられ、モヤモヤした気持ちを持ったまま1軍で戦うことはできないと思い、藤本監督と話しをさせてもらい、現役引退するか、他球団で現役を続けるか、考える時間をいただいた。それから約3週間、(2軍で)若い選手と一生懸命野球して、その中で気づいたことが、野球がまだまだ大好きということ、体が元気ということ、大好きな野球を自分からやめるという決断には至らなかった」と退団を選択した経緯を明かした。

本来、現役引退しない選手の退団はシーズン終了後の戦力外通告期間での発表が通例だが、松田は「ファンのみなさんに最後の姿を見せることなくホークスのユニホームを脱ぐこと、これだけはやめたいなと思いまして、球団をはじめNPBや選手会にも動いていただいて、このような形で報告させていただきました」と、少しでも早くファンに報告する場を求めた。球団は松田が最大級の功労者である点も鑑み、関係各所の理解を得て、この時期での退団発表に至った。

松田は05年大学生・社会人ドラフト希望枠で入団。以降は17年目となる今季まで、ソフトバンク一筋でチームの黄金期を支えた。今季はチームが世代交代、若返りを図る中で出場機会が激減。ここまでいずれも自己ワーストの43試合出場、0本塁打、打率2割0分4厘の成績にとどまっていた。現役続行を希望し、他球団でのプレーを模索する。

◆松田宣浩(まつだ・のぶひろ)1983年(昭58)5月17日生まれ、滋賀県出身。中京-亜大を経て05年大学生・社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入団。右の強打者として、3年目の08年にレギュラー定着。三塁手として11、13~19年ゴールデングラブ賞。18年ベストナイン。13、17年WBC日本代表。今季は「7番三塁」で開幕スタメンも、徐々に出場機会が減り、出場43試合、20安打、0本塁打、7打点、打率2割4厘はいずれも自己ワースト。180センチ、86キロ。右投げ右打ち。