BIGBOSS好みの快足がある。日本ハムがドラフト1位指名を公表している日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)が「1番指名打者」で先発出場。20日のドラフト前最後の公式戦で、投打に続く“足”で存在感をみせ、三刀流としての予感を感じさせた。

敵失で出塁した2回1死二、三塁。二塁走者矢沢は、打席内の2番松浦佑星内野手(3年=富島)の傾向をイメージしていた。「コンタクト能力が高い。空振りではなく、打ってくるだろうと待ってました」。2球目の中前打に抜群のスタートを切ると、50メートル走5秒8の俊足を飛ばした。中堅が内野に返球してくる頃には、本塁をノースライディングで駆け抜けた。この日は5打数無安打に終わったが「足には調子がありません。自信があります」と、走塁面での貢献をみせた。

日本ハム稲葉GMが11日のドラフト1位公表時、「ボスは足が速い選手が好きです」と話したように、新庄剛志監督好みの走力がある。矢沢は「すごく考えて意見を持っている方。一野球ファンとしてもワクワクするような野球をしている」と印象を持つ新庄野球。足での貢献には「リーグ戦で盗塁はしていませんが、やりたい気持ちはある。走塁も打つ方と同じくらい大事にしたい」と高い意識を持つ。

この日の勝利でリーグ戦2位以上が確定し、2年ぶり6度目の関東地区大学野球選手権出場を決めた。22日の桜美林大戦で勝利すれば優勝が決まる。「4年間目標にしていたドラフトもありますが、土曜(22日)に向けて準備したい」。ドラフト1位と優勝、2つの栄冠を目指す。【阿部泰斉】