来季「新球場元年」を迎える日本ハムが、1軍コーチに球団OBの森本稀哲氏(41)を招聘(しょうへい)することが23日、分かった。外野守備走塁など、1軍の主要部門を任されるとみられる。

プロでの指導経験はないが、現役時代から新庄剛志監督(50)と鉄壁の外野陣を形成し“新庄イズム”を熟知する森本氏の存在は、投手コーチとして入閣予定の建山義紀氏(46)とともに、強力な援軍となりそうだ。近く正式発表される見通し。

また、金子誠野手総合兼打撃コーチ(46)武田勝2軍投手コーチ(44)上田佳範2軍外野守備走塁コーチ(48)が、契約満了で退団することが決まった。

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「SHINJO」と「MORIMOTO」の名コンビが、新球場で復活する。守備走塁を重視し、変革途上のチーム強化に白羽の矢が立ったのは、かつて新庄監督とともに外野でコンビを組み、ムードメーカーとしても活躍した森本氏だった。日本ハムに在籍した06~08年に3季連続でゴールデングラブ賞を受賞、07年にはベストナインにも選ばれた。

俊足強肩を生かした華麗な外野守備だけでなく、足を生かした攻撃でリーグ連覇や日本一に貢献。09~10年と2季連続でリーグ最多犠打を記録するなど、小技にもたけた。現役引退後は野球評論家として活動してきた森本氏だが、“人生の師匠”である新庄監督の目標「日本一」を目指し、現場復帰を決断したもようだ。

若手主体のチームは今季、首位オリックスに16.5ゲーム差をつけられ最下位に沈んだ。守備や機動力といった面で、ベンチが求めるプレーを実践できる選手は、まだまだ少ない。今季の新庄監督は、春季キャンプからコーチ陣や選手との意思疎通に尽力。試合中もベンチから逐一、外野の守備位置を指示する場面が多く見られた。現役時代に新庄監督と寝食を共にした経験があり、技術だけでなく野球選手としての考え方や生き方を間近で学んできた森本氏は、“新庄イズム”の伝承に最適の人材と言える。

新庄監督のアイデアで人気アニメのキャラクターに扮(ふん)するなど「新庄劇場」の欠かせないアクターとして、ファンサービスにも積極的だった。06年のオールスターでは、同監督に次ぐ、史上3人目の本盗を決めるなど、話題性でも人気を集めた。北海道北広島市に新球場がオープンする来季。日本一を目指すと公言した新庄監督は、登録名の「BIGBOSS」を卒業し、現役以来の「SHINJO」に戻る。名コンビ復活で、チーム強化を加速させる。

◆森本稀哲(もりもと・ひちょり)1981年(昭56)1月31日、東京都出身。帝京3年の夏甲子園で浜田和田(現ソフトバンク)から2ランを放つなど活躍し、98年ドラフト4位で日本ハム入団。07年には3割、31盗塁、06~08年に3年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなど、3度のリーグ優勝に貢献した。07年には、前年に引退した新庄監督の背番号「1」を継承した。FA移籍したDeNA(当時横浜)、西武でプレーし、15年に現役引退。プロ16年で1272試合出場、904安打、106盗塁。現役時代は185センチ、81キロ、右投げ右打ち。

○…野村佑希内野手が鎌ケ谷での秋季練習の成果を宮崎で確かめる。シーズン終了後は打球スピードを上げる取り組みを行っており、最速で165~170キロまでアップしたという。25日からフェニックスリーグに参加する予定で「試合では140キロ程度になると思う。そこを少しでも速くしたい」。実戦の中で現状把握し、レベルアップを求めながら、侍ジャパンとの強化試合へ向けて調整する。

○…清宮幸太郎内野手が侍ジャパンとの強化試合へ向けて実戦で試合勘を取り戻す。この日まで千葉・鎌ケ谷の球団施設で秋季練習に参加していたが、25日からは11月5日に控える今季最後の試合に備えて、宮崎で行われているフェニックスリーグに参加する予定。「今は(肉体を)追い込むことを優先している中で、打てればいいと思っている。ちゃんと試合勘を取り戻したい」と、意気込んだ。

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