中日のドラフト2位明大・村松開人内野手(21)が、都内の同大合宿所で指名あいさつを受けた。「指名された実感が少しずつ湧いてきました」。10月30日にリーグ戦全日程を終えたばかりの真っ黒に日焼けした顔で笑った。

50メートル5秒8の俊足好打のスピードスター。今春に右膝半月板損傷の手術を受けたが、秋季リーグ戦では完全復活。「脚力、ミート力、選球眼には自信がある。ドラゴンズの力になれるように、頑張りたい」と力を込めた。

中日の顔になる。担当の八木智哉スカウトは「二塁もショートも守れる。3拍子そろった選手。将来、中日の顔になってくれる」と評した。現在の「顔」と言えば立浪和義監督。中日一筋で、球界を代表する選手として活躍してきた。05年には最多二塁打の通算記録487を達成し「ミスターツーベース」との異名も持つ。村松は「自分も三振の少なさ、ミート力には自信がある。間を抜いて長打にしたい」と、プレースタイルを重ね合わせた。

成長のきっかけは大学入学後だった。「『三振をしない』というマインドでいかにバットに当てることができるか練習しているうちにミート力があがった」。低く強い打球が増え、大学4年間で二塁打の通算は12本。「チャンスを作る打撃が得意です」。得意の二塁打で出塁し、俊足で次の塁を狙う。チャンスメーカーとして、立浪監督から「チームの顔」を奪うつもりだ。

高校時代から「貪欲に」という言葉を大切にプレーしてきた。「プロに行って活躍するためにはどうしたらいいのか、と常に考えてやってきました」。その思いはこれからも変わらない。これからも貪欲に成長を続ける。【保坂淑子】