広島新井貴浩監督(45)が秋季キャンプ第3クール2日目の19日、監督就任後初めて打席に立った。

3年連続40試合登板のケムナがブルペンで投球練習を行っていると、捕手後方から打席に向かった。初球いきなり「内角!」と宣言して投げ込んだ右腕の球筋に「いいボールですね。ひとつひとつのボールというのは、力がある。どの球種もカウント球にも決め球にも使える。カーブもそう。いい球を投げているなと」と、うなずいた。

登板後には自身が打席で感じたことを交えながら助言を送った。「理想を持って高みを目指して努力していくのは大切だけど、そこに至るまでに、自分の強みは何なのか。(強みは)力のある球なので、まずはゾーンの中で勝負していってもらいたい気持ちがある」。まだ制球面に課題を残すだけに、遊び球なしの3球勝負などストライクゾーンで勝負する強気な姿勢を求めた。

打者からバイリンガルな一面も見せた。キャンプ地近くに住むケムナの父ブルースさんと英語で談笑。まず「Your son is good pitcher(息子さんはいい投手です)」とたたえると、ブルースさんからの「You were good commentator(あなたはいい解説者でしたね)」という言葉に、「Thank you so much」と笑顔で返した。ケムナは「僕、通訳しなかった。新井さんが英語で普通に話していた」と語学力を称賛すると、「俺、英検2級だから(笑い)。通訳なしでガンガンしゃべれるよ。何年、海外で生活していると思ってるんだよ」と、新井監督は豪快に笑った。【前原淳】

〇…練習後、ケムナも笑顔だった。監督への初球内角球を投げきったことに胸を張った。「俺も投げられるんだぜと、示したかった、新井さんの反応も良かったので良かった。昨日(のブルペン投球で)いいアピールができなかった。この感触を忘れずに、春につなげられれば」。今キャンプでは実戦登板が免除。来季勝ちパターンを目指す右腕が、今キャンプ最後のブルペン投球で大きくアピールした。

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