リーダーとはどんな存在か。ロッテ佐藤都志也捕手(24)は未知の世界に接し、思いを膨らませた。

16日、地元の福島・いわき市の平消防署で一日消防署長を任された。避難訓練や防災確認に念入りに取り組んだ。野球と防災。大事なことを重ねた。

「避難や防災の意識を広めてほしいと思いました。自分から引っ張って行く、誘導してあげられる。避難する時もこっちだよと言えるように。野球でも『俺についてくれば大丈夫』というくらいの安心感を。投手にもっと信頼してもらえるように、胸を張ってやっていきたいなと思います」

守備での致命的なミスが目立ったプロ2年目を経て、3年目の今季はシーズンの半分近くでスタメンマスクを任された。盗塁阻止率もリーグトップに。「自信というか『俺でもできるんだ』というのが見えたシーズン。今度は自信を確信に変えて。チームの順位に直結するようなポジションだと思うので」。盗塁阻止率5割、打撃では3割20本。高い数値目標をプロ4年目となる来季へと掲げる。

理由がある。「それくらいしないと、チームの中心になれないと思うので」と話す。

宮崎でのフェニックスリーグでは、吉井新監督から期間中のMVPに選出された。数字はもちろん、後輩や仲間に対する姿勢を指揮官に高く評価された。「すごく自信になりました」と喜ぶ。

「若手中心だったんですけど、自分が引っ張ってやるぞくらいの気持ちで参加したので。打撃の数字も良かったですし、チームの雰囲気も肌で感じられて、そういった意味では良かった期間だなと思います」

フェニックスリーグでは捕手はせず、一塁に加え、三塁や外野も守った。打の評価は高い。どのポジションでも起用できるよう、それだけ攻撃面での期待が高い証しでもある。おのずと、将来的にはリーダー役を求められることになる。本人の意識も高い。

「そういう立場になっていきたいというよりも、そうならなきゃいけないなと勝手に自分で思っているので。荻野さんや角中さん、ベテランの方々におんぶに抱っこではもうダメだなと思うので。来年4年目になりますし、そういう自覚が出てこないと中心選手になれないと思うので、そういうところも肝に銘じていきたいです」

丁寧で落ち着いた話しぶりながら、シンは熱い。

今年8月、日刊スポーツのオンラインインタビューで左腕ロメロとのバッテリーについて明かした。

「通訳さんを通してですけど、1度半分本気、半分冗談みたいな感じで言ったことがあります。次ちゃんと投げなかったら組まねえぞ。続投してもいいけど、まっすぐで単調になるなら俺は組まねえぞ、って」

豪快さと繊細さが同居する助っ人左腕を、受け身と攻めを使い分けながら、1年間導き続けた。リーダー候補としての引き出しも増え、いよいよ次のステップへ進みたいプロ4年目へ。

「来年はチームの中心となって、成績ももっと考えて。捕手でたくさん試合に出たい気持ちはあるんですけど、まずはチームに貢献することを目指してやっていきたいです」

けん引への思いを随所にまぶし、自分に強い圧をかけた。【金子真仁】

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