赤ネクタイに紺スーツ姿もばっちり決まった。新人王と最優秀中継ぎに輝いた西武水上由伸投手(24)が村長の座を“約束”された!? 17日、故郷の長野・宮田村でトークショーを開催した。

雄大な山々を望み、入り口広場では2匹のヤギが鳴く村民会館。その一室。契約更改で「村長になりたい」と故郷PRの思いも含めて野望を語っていた水上は、対面した小田切村長から「OK」と後継者に“公開指名”された。むろん決まるのは選挙だが、強力なバックアップを得ることに成功した?

長く現役を続け、引退後はスカウトにとの思いがある。本当に村長に立候補するならば…スカウト業を全うした後との人生設計だ。

「将来、村長になったら?」。そう聞かれると、マウンドではピンチを迎えても、抑えればヒーローと考える男は、逆転の発想すぎる策を絞り出した。村の人口は8829人(12月1日時点)。「正直、どんな仕事しているかは分からない」と苦笑い後、喫緊の課題である人口減少問題の対応を即興で考えた。

「高校卒業後、1回、宮田村から強制的に出てもらう」

一見、減ってしまいそうだが、狙いがある。2人の村人同士の結婚ならば、1世帯。2人の村人が宮田村の外で出会った相手と結婚し、帰村してもらえれば2世帯になるとの理論だ。実は昨年、雑誌「田舎暮らしの本」(宝島社)が選ぶ「田舎ベストランキング(村の部)」で、宮田村は総合部門と子育て部門で1位を獲得した。たしかに故郷の魅力は外で再認識してもらえればプラスに転じるかも…一理なくはない。

今は野球選手として、さらなる成長を遂げることが第一。平良が先発に転向し、来季はセットアッパーの最有力候補にもなる。宮田村出身では初のプロ野球選手は「もう1回勝ちパターンを狙うつもりで気を引き締めて。優勝を目指して頑張る」と野球少年ら約300人の前で“公約”を掲げた。【上田悠太】

◆宮田村 長野県南部に位置。東は南アルプス、西は中央アルプスの雄大な自然に囲まれる。駒ケ根市、伊那市などに隣接。村役場は標高646メートル。川には木曽山脈の雪解け水が流れ、四季折々の景色に彩られる。面積は54・50 km2。車で名古屋まで約2時間、東京まで約3時間半。名産品は豆腐、ワインなど。読み方は「みやだ」。水上は同村出身では初のプロ野球選手。

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