両親に-。マウンドでの晴れ姿を見せるため、プロの世界で成り上がっていく。

楽天の育成ドラフト3位、竹下瑛広投手(22=函館大)が19日、仙台市内で行われた新人合同自主トレ第3クールで、今年3度目のブルペン入り。ダイナミックなフォームから21球、力強い直球を投げ込んだ。「体を大きく使うことは常に意識しています。キャンプに向けて、しっかり準備していく」と気持ちを引き締めた。

さらなる成長曲線を描く。高校時代は無名だったが、秘めた才能が大学で一気に開花した。体が一回り成長し、球速が20キロ以上伸びた。「将来は、この背番号(155)を超えられるように」と最速155キロ超えを目指す。現在は体の柔軟性を上げることに加え、どんぶり茶わんを手に1日4食の食事トレーニングに励んでいる。「炭水化物をメインに体を強くすることを意識してやっている」。

父正康さん(67)、フィリピン人の母ノルリタさん(49)を持つ、3人兄弟の次男。ノルリタさんは野球のことはあまりわからないと言い、ドラフト指名の際には電話で「ホームランを打ったの?」と聞き返したという。竹下は「面白かったです。野球、たぶんわかってないと思います」と笑顔で話し「1軍で活躍しているところを両親に見てもらいたい」と胸を膨らませた。

「(両親に)恩返しするために、今頑張れている」。その一心が、練習に励む大きな原動力となっている。将来の夢を問われた竹下は「1億円プレーヤーになって、両親に家を建ててあげたい」。恩返しへのサクセスストーリーが始まる。【佐藤究】

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