WBC日本代表のオリックス宇田川優希投手(24)が宮崎キャンプ第2クール初日の7日、予告通りに復調の兆しを示した。WBC公式球に慣れず直球の威力が低下。中嶋監督に「調整不足。今のままでは使い物にならない」と怒られていたが5日に下半身主導の本来の投法できっかけをつかみ、復調を宣言していた。

あとは実際に監督を納得させられるかという状況でこの日を迎えた。「キャッチボールの時、後ろにいて無言の圧をかけられて…」。投球練習の前に監督に「もう大丈夫です」と伝えると「今日のブルペンが最悪だったら、もう知らねえからな」と最後通告された。

WBC本番並みの重圧? にも負けず自らの言葉を証明した。重そうな球が次々とミットに収まった。表情に自信が戻っていた。「久々に気持ちよく投げられた。余計な悩みとかなくなって、あとは仕上げるだけです」。捕手側で見ていた中嶋監督は「普通じゃない?」と、辛口ながら半歩前進は確認したようだ。

重い課題はまだある。現在はベストを超過した体重100キロ。トレーナーから代表合流まで3~4キロの減量を命じられ、食事も腹八分目までと制限された。「いつもは2~3人前食べるのにすぐ終わってしまう。めっちゃ苦しい」。無数の監視の目にさらされ、こっそりケーキを食べようとしたら、あろうことか監督に見つかった。練習もメニュー以外に追加してこなしているが「なかなか落ちない」とため息をついた。

それでも出口が見えなかったキャンプ開始当初と比べれば雲泥の差。相次ぐ苦難を乗り越えて、剛腕復活といきたい。【柏原誠】

○…紅林が21歳の誕生日に「21本塁打」の誓いを立てた。2年連続、正遊撃手でリーグ連覇に貢献。本塁打は10本、6本と長打力も武器だが「この2年は我慢して使ってもらった。自分でちゃんと結果を残したい」。キャンプのテーマは打力向上。「遊撃でずっと出たいと思っている。21歳になったので21本塁打以上」と打てる遊撃手の地位確立を目指す。

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