これぞ、新婚パワーだ! 2年目の日本ハム水野達稀内野手(22)が19日、楽天との練習試合(名護)で“今季1号”を含む2打数2安打3打点。

この日、2軍から参加し、持ち味の打撃で首脳陣へのアピールに成功した。昨季は新人で大谷翔平(現エンゼルス)以来の開幕スタメンも、プロの壁に苦しんだ。昨年12月に結婚。人生の伴侶を得て臨む今季、激しい内野手争いに割って入る。

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愛の力が、バットに宿った。2軍キャンプからの逆襲を誓った水野が、途中出場で1発回答だ。6回の守備から途中出場すると、2-4の7回1死一塁から左中間へ適時三塁打。続く石井のスクイズで同点のホームを踏んだ。さらに1点を勝ち越した直後、8回の第2打席は、2死一塁から右中間深くへ2ラン。「何かインパクトを残せたらと思っていた。結果が出て少しホッとしています」。興奮は、そっと胸にしまった。

本塁打は狙って打った。カウント1-1から、楽天高田が首を振って投じた3球目はボール。「ストライクを欲しいカウントだと思った。次は絶対に(ストライクを)取りたいだろうなって」。冷静に状況を分析し、フルスイング。投手との駆け引きに勝った。

1年目の昨季はオープン戦で打率3割超と打撃好調。新人ながら「9番ショート」で開幕スタメンに名を連ねたが、結果を残せず、6月には右すねの疲労骨折で戦線離脱した。「野球人生でケガをして試合に出られない経験がなった。自分の体の弱いところを知れた」。今季は2軍キャンプでスタートし、アピール機会をうかがっていた。

昨年12月、香川・丸亀城西高時代から交際していた同級生と結婚した。管理栄養士の資格を持つ妻は、小中の給食を作る仕事を辞めて、水野のもとへ。「結果で恩返ししたい。養っていけるように頑張りたい」と、大黒柱としての自覚が芽生えたばかりだ。同期入団で守備の名手・上川畑に、攻守に安定した同い年の奈良間大己内野手(22=立正大)、メジャー経験もある加藤豪将内野手(28=メッツ3A)のルーキー2人も加わって、二遊間争いは例年になく激しいが「今の立場では、少ないチャンスをものにするしかない。今年も開幕スタメンを勝ち取って結果が出せるまで調子を上げていきたい」。諦めるわけには、いかない。【中島宙恵】