侍ジャパンにサポートメンバーとして参加したロッテ藤原恭大外野手(22)が、大きな収穫を持ち帰った。

4日の侍ジャパン壮行試合中日戦(バンテリンドーム)に「9番中堅」で先発出場し、3回表に右中間に三塁打を放って、パドレス・ダルビッシュ有投手から「ナイスバッティング」の言葉ももらった。だが、一番の衝撃は試合前に初めて見たエンゼルス大谷翔平投手のフリー打撃だった。「すごい人たちとやれたことは一番の財産。特に大谷さんのフリーバッティングには度肝を抜かれましたし、ビックリしました」。27スイング中9本の柵越えだけでなく、推定160メートルの特大弾を連発する姿に、野球への考え方も変わった。「自分のチームメートだと山口(航輝)が一番飛ばすと思っていて、『頑張ったら抜けるかなあ』と思っていたのですが、大谷さんのフリーバッティングを見て、これは無理だなと。努力してもあのようにはなれないと確信を持ったので、ホームランはたまに打てればいいかなと諦めもついた一面もある」。自身と大谷の違いを問われると「人間としてのレベル、器が違いました」と苦笑いを浮かべた。

チームメートの佐々木朗希投手がマークした165キロも中堅のポジションから目の当たりにした。164キロは何度も目にしてきたが「すごいボールでした」。仲間として誇る気持ちもあった。「ずっと外野から見ているんですけれど、飛び抜けているピッチャーだと思う。いろいろな選手も『すごいな』と言っていたので、あらためてチームメートとして相手じゃなくて良かったなと思いました」と笑った。

大谷、ダルビッシュ、佐々木朗など日本の主力たちと接し、プレーしたことで闘志に火がついたことは間違いない。「今回はサポートで行ったんですけれど、もう1度、本物の侍ジャパンになって、みんなと一緒にやりたいなという思いが、より一層強くなりました」。この経験を次に生かす。

試合前のウオーミングアップ中などには西武山川穂高内野手から打撃論を学んだことも明かした。打撃練習で本塁打を打つ意識ではなく右中間から左中間の間のエリアに打つ意識の助言だったと言う。大谷の打撃で本塁打への意識も変わっただけに「センターを中心に良い打球を打てることを意識しながらやっていこうと思いました。バッティング練習ではデカいのを狙って引っ張りたくなるんですけれど、なるべく我慢して」。さっそくZOZOマリンの室内練習場で打撃練習に精を出した。6日はチームの休日のため、7日に行われる日本ハムとのオープン戦(午後1時開始、ZOZOマリン)から合流。まずはロッテで不動の主力となり、侍ジャパンへの土台を築く。【鎌田直秀】

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