制球力は健在だった。楽天塩見貴洋投手(34)が5日、イースタン・リーグ日本ハム戦に先発。

21年8月21日のイースタン・リーグ巨人戦以来592日ぶりとなる公式戦のマウンドで、6回を投げ4安打無四死球無失点と完璧な投球を見せた。打線も塩見の好投に応え、初回に4得点、4回に1得点と援護し、5-2で勝利を収めた。

    ◇    ◇    ◇

落ち着いた投球で試合をつくった。1回、1番中島卓にいきなり左前安打を許したが、2番奈良間、3番王を見逃し三振。4番古川への5球目で盗塁を試みた中島卓を堀内謙伍捕手(25)が刺殺し3アウトチェンジ。以降、安打こそ許すもののペースは乱さず、2人以上走者をためることはなかった。打たせて取って92球。塩見は「1年半ぶりくらいの公式戦。投げられるということをかみしめながら投げました。今年どうしても投げたかったので投げられてよかった」と、投球できる喜びに浸った。

昨季は1、2軍ともに登板なし。「去年、肘の手術をして、リハビリは思うようにいっていたんですけど試合まではできなかった」。コンディション調整に悩まされ、昨年11月の契約更改の際には「来年、しっかりと投げられるように準備したいと思います。来季はやらないといけない年だと思いますので、がむしゃらにやるだけですね」と再起を誓っていた。

再起を図る今季初戦を見事勝利で飾り、見据えるのは21年6月1日の交流戦ヤクルト戦以来の1軍マウンドだ。塩見は「まだまだ投げたいし、1軍で活躍もしたい。優先順位的には下の方だと思うので、まずは2軍で良い結果を残しながら上に呼んでもらえるように。若い選手に負けないようにやっていくだけですね」と闘志を燃やす。プロ13年目を迎えたベテランが、登板機会を求め、がむしゃらに突っ走っていく。【濱本神威】

○…入江大樹内野手(20)が2番の仕事を全うした。1回、1番西川遥輝外野手(30)が左前安打で出塁。入江が1球で犠打を決め、チャンスを広げた。「(3月の)中日との試合でバントミスをした。そこから練習してきて、初めてのバントだったので、決められてホッとしました」。一塁ベースを駆け抜け、小さく「よっしゃ」と声を漏らした。以降、チームは打線がつながり4得点。流れをしっかり呼び寄せた。

【関連記事】楽天ニュース一覧