<阪神1-0ヤクルト>◇8日◇甲子園

現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手(27)が、今季初先発したヤクルト戦(甲子園)で6回3安打無失点と好投し、自身3年ぶりの白星を手にした。チームの3連敗を阻止した1勝は昨オフ移籍組、現役ドラフト組で一番乗りの白星となった。

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阪神大竹は2年間未勝利だった。ソフトバンクの巨大戦力の中で埋もれそうになっていた。結果を残さなければ2軍どころか3軍に落ちる。「『1点取られたら終わり』というメンタルで投げていた」。自分との戦いに負けていた。

“気づき”をくれたのは師匠和田との自主トレだった。ソフトバンク1軍で活躍する藤井や板東らの一挙手一投足に「結果を出している人の考え方を見て、僕は1軍の選手になりきれていないな、と」。気持ちに余裕がないまま練習していてはダメだと知った。阪神移籍後は青柳、西勇と何年も先発ローテを守る手本にも出会えた。「やっぱり一喜一憂しないし、気にしてない」。目先ばかりにこだわらなくなって今がある。

登板前日の7日にはダルビッシュのYouTube動画からネガティブな気持ちを受け流す術を学んだ。「今日もそういうの(弱気)が何回も頭をよぎったけど、俯瞰(ふかん)できた」。それは動画チェックの成果だけではなく、心に余裕ができたからだ。【阪神担当=石橋隆雄】