ロッテの森遼大朗投手(23)が、育成入団からプロ6年目で初勝利を挙げた。今季初先発で5回1/3を5安打2失点。1点差で迎えた9点裏、沢村拓一投手(35)が右飛でピンチを脱した瞬間に安堵(あんど)の表情を浮かべ、「皆さんが必死につないで勝ちを持ってきてくれたので、すごくうれしいです」。両親に贈る勝利球を右手で高々と掲げた。

育成時代から同じ右腕の美馬学投手(36)に弟子入りし、一番近くで学んだ。フォークが大きく成長。右打者の内角をえぐるシュートも武器に加わった。くしくも、今回は開幕先発ローテだった美馬が再調整で2軍行きとなったことで出番が回ってきた。今遠征前には「しっかり楽しんで来いよ」と重圧を和らげてくれる言葉で背中を押された。コーチ陣からも「どんどん攻めていけ」と助言をもらい、1失点後は11人連続で打者を封じる見事な投球も見せた。

高3時に左膝をケガし、入団はリハビリスタート。21年12月にようやく支配下登録されての1勝に「支えていただいた人に感謝したいですし、楽しめたと思います」と目尻を下げた。今季チームスローガン「今日をチャンスに変える。」を体現。仲間からもみくちゃにされて祝福を受け、「飛躍のシーズンにしたい」とジャニーズ系の優しげな笑顔があふれた。【鎌田直秀】

○…井上が2回2死一塁から右中間に1号2ランを放った。「森が今季初先発なので、まずは援護点をと思っていました。結果的に最高の形になりました。ごっちゃし!」。ベンチに戻ると、相撲のそんきょの姿勢で喜びを表現した。昨年9月28日の札幌ドーム最終戦では全球団ラスト弾となる3ランを打っているが、エスコンフィールドではチーム初本塁打。貴重な先制点で連勝に導いた。

▽ロッテ吉井監督(森の初勝利に)「5回で代えても良かったんですけれども、1軍のローテーションに入ってほしいので、6回のマウンドを経験させたかった。戦力になるのは分かったので、またすぐにチャンスはあると思います」

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