西武山川穂高内野手(31)が打席へ向かう。本塁打を願ってか、ベンチでは柘植や佐藤龍が「どすこい」ポーズを繰り広げる。

彼らは「どすこいの予約っす」と笑う。8回2死一塁。待望の今季1号には至らずも、左翼への適時二塁打で勝利を決定づけた。山川も「杉浦投手のまっすぐをはじけたのは1つ、プラスになっていくのかなと」。チームを高め、自身の感覚をもググッと高めた。

右ふくらはぎの張りから復帰し「6番山川」として戦う。4番には39歳の中村が絶好調で君臨する。

「すごいしかないですよ。あの年であの技術。見習うところしかないです。でも中村さんのマネはできないというのは、過去の経験で分かってるんで。僕の方が明らかに不器用という自覚はあります」

大先輩をたたえ、だからと言って、相手投手の兼ね合いで中村が出場しなかったこの日に「4番山川」としては戻りたくなかった。

「今日みたいに中村さんが出てない時に、僕が代役で4番みたいになるのは変な感じがするというか」

しっかり結果を出した上で、堂々と。「いい打ち方になってきてるんで、しっかり距離が出るようになってきているので。まぁ、でもホームランは打ちたいですね」と願う。この日、6回の中飛も惜しかった。

「初めの1本ってやっぱ、まぐれなので。狙ってとか理想通りの1本が最初に出るってなかなかなくて、割と必死でやった結果にそれが出るというか」

山川が二塁上から眺めたベンチでは、柘植らがまた盛り上がる。「僕がもっとちゃんと打てばもっともっと点は入ると思います」が主砲の自負。3連敗を抜け、大型連休の初勝利。駆けつける子どもたちの耳に届くほどの高らかな声を、次の試合こそ。【金子真仁】

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