阪神佐藤輝明内野手(24)がミラクルを呼んだ。9回無死二塁。中日マルティネスのスプリットを強振。強い打球は二塁手の正面に転がったが、福永がまさかのトンネル。大山が生還して、同点に追いついた。「結果、後が続いたので、よかったです」。続く代打原口の左前打では大島のファンブルを見逃さず、一気に三塁に進む好走塁を見せた。相手のミスにつけ込んで守護神にプレッシャーをかけ、劇的サヨナラに貢献した。

開幕直後から打率1割台に沈んでいたが、完全に上昇気流に乗った。5回1死二塁では涌井の内角寄りスライダーをとらえ、一、二塁間を破るタイムリー。2点差に迫る大きな一打だった。「よかったです」。前日2日には相手守護神の内角直球を引っ張り、右翼線二塁打。昨年まで苦しめられた「内角」と「速球」への対応力は確実に増している。打率は2割3分まで上がった。

4月26日の巨人戦では6番に降格したが、ここから7試合で9安打8打点と息を吹き返した。2戦続けて、4番大山との連打が見られた。4、5番コンビが力強さを発揮すれば、打ち負けない。佐藤輝は9回、木浪のサヨナラ打に喜びを爆発させた。「まあ、うれしかったです」。得意の5月。自信を取り戻し、長打を量産する。