“村神様”より前にヤクルトにいた代打の“神様”川端慎吾内野手が放った1発が、乱打戦に臨む号砲だった。3点ビハインドの5回1死一、二塁。代打川端が1ストライクから巨人先発戸郷の142キロ直球をポール際の右翼席に突き刺した。

一時同点となる値千金の1号3ランに「まさか入るとは…」と本人も驚きを隠せない。ベテランの1発にベンチが沸く。草薙球場に傘の花が咲くと同時に、燕打線の火がついた。

36歳となる年男の今年、期する思いがあった。「21年シーズンの成績に少しでも近づきたい」。代打で打率3割7分2厘と驚異の数字を残し、日本一の原動力になった。そのシーズン前と同様、今オフは体幹、下半身のトレーニングを強化し、年男にして振り込みなどの量を増やして今季に臨んだ。そのかいあって打率4割と好調を維持し、今季1号につなげた。