セ・リーグ2連覇中のヤクルトが、12球団最速で自力優勝が消滅した。19年以来4年ぶり、高津政権初の9連敗。借金は20年以来の10と膨らんだ。首位阪神が巨人に勝ったため、自力優勝の可能性が5月、わずか46試合目で消えた。高津臣吾監督は「優勝目指して頑張ります」と気丈に答えた。

1回に1死満塁と広島先発の森下を攻めたが、浜田が三振、西浦が二ゴロで無得点に終わった。高津監督は「初回でしょうね。得点圏で打つか打たないかが主導権を握る。そこしか(森下を打ち崩す好機が)なかった。あとはほぼパーフェクトで」。2回以降は7回までわずか1安打に抑えられた。8回には2番手ターリーから2死一、三塁の好機をつくったが、オスナが二ゴロに倒れた。二塁封殺は微妙なタイミングだったが、リクエストでも判定は覆らなかった。

投手は先発のピーターズが7回を4安打1失点と好投した。高津監督は「100球を迎えて少しコントロールを乱したが、よく投げた」と評価したが、見殺しとなった。8回には2番手の大西が菊池に適時打を浴び、3番手の山本も坂倉に2点二塁打を許すなど、追加点を許した。

ヤクルトの9連敗は、小川監督時代の19年5月14日から6月1日まで16連敗を喫して以来。借金10は、高津監督の就任1年目だった20年以来3年ぶり。同年は最終的に借金28の最下位だった。プロ野球の歴史で借金9以上から逆転優勝したチームはなく、3連覇に黄信号がともった。

前日の試合中に下半身の張りを訴えて途中交代した山田哲人内野手は、球場入りしたものの、グラウンド練習に姿を見せず、試合出場もなかった。明日以降も、日々様子を見ながら出場の可能性を探る。塩見泰隆外野手、青木宣親外野手ら主力を欠いているだけに、試練が続く。

高津監督は「毎日粘り強く、我慢強く、しっかりやれることをやる。勝てていないので明るい雰囲気にはならないが、雑にならずにやっていきたい」と話した。気が付けば、最下位中日とは0・5ゲーム差。リーグ2連覇したチームが翌年、最終的に最下位になったことはない。尻に火がついた。

▼ヤクルトの自力Vが開幕46試合目で消滅した。ヤクルトは残り全勝で114勝27敗2分け、勝率8割9厘。阪神がヤクルトとの残り13試合に全敗しても他カードで全勝すれば115勝27敗1分け、勝率8割1分となり、ヤクルトは阪神を上回れないため。昨年の日本ハムが開幕33試合目に消滅しているが、ヤクルトが46試合目以内に消滅は84年の44試合目以来、39年ぶり。前年優勝チームとしては83年中日の39試合目以来となるスピード消滅。