“鉄壁リレー”復活も、 まさかの逃げ切り失敗となった。阪神湯浅京己投手(23)が3点リードで9回に登板。だがロッテ打線に痛打され、同点に追いつかれた。昨季7月1日中日戦以来、39試合ぶりの失点となった。

先頭の山口が失策で出塁すると、続く佐藤都に安打でつながれ、徐々に甲子園の雰囲気が変わる。1番岡の適時二塁打で2点差。2番藤岡に一、二塁間を破られ同点にされた。その後も2死一、二塁と逆転の危機を背負ったが、茶谷を三ゴロに仕留め勝ち越しは許さなかった。だが、マウンドを降りた守護神は自らの帽子を地面にたたきつけ、ほえた。「自分の実力不足。点を取ってもらったのに、野手の方に申し訳ないという思いが強いです」。

右腕のコンディション不良で2軍調整を続けていた中、5月26日の巨人戦で1軍戦復帰。調整期間中、9回の座を守ってきた岩崎が8回に登板し、3者凡退で無失点に抑えた。今季リードした展開では初となる8回岩崎、9回湯浅の「勝利の方程式」が実現。岡田監督の新勝利の方程式が決まるかと思われた矢先の悪夢だった。

それでも延長11回、仲間の奮闘でサヨナラ勝利。岡田監督は「負けてたら相当ね、責任感が強い人間だからショックだろうけど。最後にみんなの力で勝ったんでね。次はいいピッチングをしてくれると思います」と信頼は揺るがなかった。

湯浅は「次はしっかり自分が、やり返せるように。点取られないように頑張ります」と力を込め、球場を後にした。にじませた悔しさが、次の快投につながるはずだ。【波部俊之介】

■浜地3人斬り2勝

11回表を3人で抑えた浜地が、2勝目を手にした。1番岡から始まる打順を3人で片付けた。「今シーズンはふがいない登板をしてますし、こうやっていい場面を任せてもらったので」。3試合連続無失点とした。「僕はゼロで抑えていくだけだと思っていたので、どんな場面でも」と胸を張った。