天理大(阪神大学)の真城翔大投手(4年=高知商)が大会8人目の無安打無得点試合を達成した。変化球を効果的に使って西南学院大(九州6大学)を4四球だけに抑えた。

最終回も難なく3人で片付けた天理大・真城は照れくさそうに笑い、仲間の祝福に身を任せた。「7回のあとに意識し始めて8回はおかしくなりました。もう考えないのは無理なので9回は狙っていました。うれしかったし、ホッとしました。今日はスプリットがよかったです」。8人目の快挙を静かに喜んだ。

4四球だが二塁を踏ませたのは1度だけ。伸びる直球と同じ軌道からスライダー、スプリットを自在に落とし、芯を外した。6~7回には4者連続三振。盗塁を2度刺した小林太郎捕手(4年=松商学園)とはあうんの呼吸。小林は9回、右腕に余計なことを考えさせないよう早打ちを誘う配球に変えたという。

屈指の清流で知られる高知県の四万十市で生まれ育った。もの静かで繊細な性格。関西出身で口数が多い仲間たちも、真城に配慮してベンチでは無安打の話題には一切触れなかった。試合後、報道陣に囲まれ顔をこわばらせる真城を選手が次々と目で合図。真城はうれしそうに笑った。

高知商3年夏は準決勝で打ち込まれた。地道な体力強化メニューをこなして成長を遂げ、多数の好投手の中で全国大会の先発を任された。「最後まで投げきれるエースになりたいと思っていた。オリックス山本投手のように、すべての球種で三振が取れる投手になりたい。将来はプロでやりたいです」と理想を描いた。【柏原誠】

 

◆真城翔大(ましろ・しょうだい)2001年(平13)6月2日生まれ、高知県四万十市出身。中村小2年で野球を始め、中村中を経て高知商へ。3年夏はエースとして高知大会4強。阪神森木が1年生エースだった高知に敗れた。天理大では2年秋からベンチ入り。3年春に4勝して先発の一角に定着した。リーグ戦通算8勝。好きな選手はオリックス山本由伸。177センチ、75キロ。右投げ左打ち。

 

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