新戦力バッテリーが“満点デビュー”を飾った。

日本ハム山本拓実投手(23)と郡司裕也捕手(25)の元中日コンビが、移籍後初めてバッテリーを組みスタメン出場。ロッテ打線相手に2回を完璧に封じた。チームは5位転落も、新戦力が逆襲への力を注入していく。

  ◇  ◇  ◇

中日から来た新戦力が輝きを放った。移籍後初の先発マウンドに立った山本拓は初回、先頭の藤岡を一ゴロ、角中を二ゴロ、中村奨は空振り三振と、最高のスタートを切った。先発登板は中日時代の20年7月21日巨人戦以来約3年ぶり。「始まる前は緊張しましたけど、いい準備はできていたのでマウンドでは緊張なく、いつも通り投げられました」。2回も落ち着いた投球で3者凡退。昨オフの自主トレで上沢から学んだスライダーで2三振を奪うなど、ノルマの2回を完全投球で終えた。

新天地でつかんだビッグチャンス。山本拓は両親と姉の前で結果を出し「郡司さんのリードにまかせて思い切った投球ができた」と感謝。受けた郡司は「山本拓実史上一番良かった。全変化球投げましたし全部精度も高かった。何を投げても抑えられそうだなという感覚がありました」と手応えを口にした。

寮と球場への行き帰りはコンビで車移動。その車中で、約束をしていた。山本拓は「悪かったらお互い相手のせいにしましょうと。僕は郡司さんの配球が悪い。郡司さんは、僕が構えたところに投げてこなかった、というように。お互い割り切ってやれたのも良かった」。前所属から知る、いい意味でフランクな関係性も、快投をお膳立てした。

「ファンがいっぱいいた方がね。オレなら日曜日がいいもん」と、この日指定で抜てきした新庄監督の思惑通り、3万1084人の大観衆が集まる中、期待にこたえた。山本拓はベンチに戻った際、指揮官に「最高!」と褒め言葉をもらい「(心に)染みました。チームメートにもファンに対しても大事な日だと思っていた。その中で、結果として出せたのは良かった」と喜んだ。

郡司は「帰りの車の中で、2人できょうの投球について話し合います」。仲良しコンビで、さらに投球の質を上げ、次は勝利を引き寄せる。【永野高輔】

▽日本ハム建山投手コーチ(山本拓について)「今のところ先発は考えていない。短い先発、ロングリリーフ、ワンポイントから1イニング。いろんなところで使えるので、先発1本にすると逆に良さを消す」

▽日本ハム八木打撃コーチ(打線は計13三振)「1ストライク目にバットが出ないバッターが多い。1ストライクまでのアプローチが弱かった」

○…4日に1軍合流した五十幡が、左太もも裏肉離れから復帰後初打点と初盗塁を記録した。同点の5回2死二塁、種市の直球を捉え、中前適時打。「四球でもエラーでも絶対につなぐっていう気持ちでいた」。出塁後は二盗も決め「1つ出たのは大きい。これからどんどん走れるようにしていきたい」と、さらに積み上げていく。

【関連記事】日本ハムニュース一覧