西武今井達也投手(25)は奇襲に備えていた。

自らの悪送球と、一塁線の送りバントを見送る(記録は内野安打)などで招いた3回1死二、三塁。「スクイズの可能性がちょっと高いかなと思っていた。(捕手)古賀にも言っていた」。小深田への2球目。「しっかり強いボールを」と外角高めに155キロの直球を投げて猛ダッシュで処理。低めに制球力抜群のグラブトスで、三塁走者を仕留めた。

メリハリの効いた投球で、7回を4安打無失点に抑えた。「1点はいいやという気持ちは1つもなかった。ゼロでベンチに帰るのが仕事」。ナイターとはいえ蒸し暑い中での試合。前日28日のブルペン投球はわずか13球にとどめ、イニング間の投球練習も軽めに終えるケースがあった。最速は156キロだったが、中盤には140キロ台後半に落とした。ピンチを迎えると一気にギアを上げ、最後となった7回は再び155キロで締めた。

楽天にはめっぽう強く、21年から同カード7連勝で自責点0は46回2/3に伸びた。要因を「スコアラーさんが本当に毎回数字とかデータとか打者の長所とか調べてくださる」と分析した。自身3連勝で今季6勝目。16年夏の甲子園優勝投手が、気温とともに調子を上げてきた。【斎藤直樹】

▽西武山野辺(プロ初DHで5回に先制打)「びっくりしました。(守備に就かず)最初はそわそわして。リズムがあまり分からなかった。前に飛ばせば何とかなるとバットを出した」

【関連記事】西武ニュース一覧