バットで菅野をKOだ!! 阪神西純矢投手(21)が、2試合連続タイムリー&5勝目を挙げる得意の二刀流で白星を呼び込んだ。2点リードの3回、2死一、三塁の好機でマウンドは巨人菅野。追い込まれてからの4球目だ。外角141キロのカットボールに両手を目いっぱいに伸ばして食らいつき、中前へ運んだ。セルフ援護で貴重な3点目をたたき出し、菅野をマウンドから引きずり下ろした。

「(打撃は)おまけみたいなもんですけど、(菅野さんは)沢村賞を取られてる投手ですし、チャンスで打てたのはよかったです」

今季早くも3本目のタイムリーで年間自己最多の5打点目。NPB投手では単独トップの“打点王”に君臨する。7月17日中日戦での中前打、8月1日同戦での右越え3点打、そしてこの日…。いずれの打点も、7月中旬から手にしたカブス鈴木誠也が広島時代に使用していたモデルの新相棒から飛び出した。2回の打席では内角を攻められる場面もあった。恐怖の9番を野手並みに警戒している証拠だが、その包囲網を切り裂いて快音を奏でている。

本業の投手ではジャスト100球を投げ、6回5安打4失点と踏ん張った。5点リードの4回2死一塁からは長野に中越えの2ランを被弾。3点リードの6回1死一塁からは岡本和に甘いフォークを左翼バルコニー席まで運ばれたが、リードを死守した。「中継ぎのみなさんには申し訳ない気持ちでいっぱいです」。反省も尽きないが、自身今季初の2試合連続勝利で東京ドームは無傷の3連勝だ。「新火曜の男」が存分に存在感を発揮した東京ナイトになった。【古財稜明】

■15戦連続無失点

阪神の守護神岩崎がリーグ3位タイの21セーブ目を手にした。1点リードの9回に登板。2死一塁から代打梶谷に中前打を許したが、秋広を外角低め146キロ直球で見逃し三振。マウンド上で激しくガッツポーズを決めた。「最悪あそこ(一、二塁)までとは思っていたので。抑えられてよかったです」。岡田監督は「もうずっと(いい)ね。だいぶ負担かけてるけどなあ」と感謝感謝だ。これで5試合連続セーブで、15試合連続無失点。防御率は0・92まで良化させた。