西武今井達也投手(25)が、明日23日の仙台育英(宮城)と慶応(神奈川)がぶつかる夏の甲子園決勝戦を前に、自らの甲子園経験を振り返り、両校にエールを送った。

今井は16年夏、作新学院(栃木)のエースとして全5試合に先発。同校を54年ぶり2度目の全国制覇に導いた。決勝戦の北海(南北海道)戦でも2失点9奪三振で完投し、歓喜の輪の中心で人さし指を高く突き上げた。当時の夢のような時間を「実感は全くなかったです。優勝してもまた次の日試合があるんじゃないかなぐらい」とどこか懐かしそうに語った。

ようやく優勝の実感が湧いたのは甲子園から学校のある栃木・宇都宮市に帰ってきてから。快挙を成し遂げたナインは宇都宮駅で盛大に出迎えられた。「宇都宮駅に帰ってきたら、たくさん人がいてそれで実感が湧きました」と事の重大さを肌で感じた。

明日決勝を迎える仙台育英と慶応の両校には「慶応は103年ぶりの決勝で、仙台育英は夏連覇がかかる。お互い悔いだけは残さないようにして欲しいですね」とエールを送った。自らの高校3年間を「本当にチームメートにはすごい恵まれたなと思いますね」と語る今井には、あの夏の記憶がはっきりと刻まれている。【黒須亮】