日本ハム野村佑希内野手(23)が7日、ラストスパートで「3つの壁」を乗り越えることを誓った。

(1)シーズン100安打突破(2)シーズン規定打席到達(3)ケガなくシーズンを完走。いずれも達成すれば自身初となる。この日は遠征先の仙台から空路で北海道へ戻った。残り21試合となった5年目のシーズンは打撃不調で2軍再調整も経験したが、しっかり最後までプレーして大飛躍への殻を破る。

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野村には、通過点にしなければいけない関門がある。シーズン100安打。意外にも昨季まで到達できなかった数字だ。「普通にやっていれば、超える数字ではあるはずなので。去年、一昨年もケガで、あとちょっと届かなかった。超えなきゃいけないというか、普通にやっていれば超えるはずの数字だと思います」。今季は21試合を残して92安打をマーク。2桁の壁を突き破るのは時間の問題だ。

野村本人も振り返るように、昨季までは故障に泣かされてきた。キャリアハイは「99」と即答できるように、最も100安打に近づいたのが21年。春先に左膝関節炎で約2カ月の離脱が響いて届かなかった。当時の監督で、侍ジャパン前監督でもある栗山英樹氏(62)が日本ハムでのラスト采配後に「(心残りは)唯一、ジェームス(野村)に100安打を打たせてあげられなかったくらい」と話していたのが印象深い。

昨季も故障離脱があって97安打だった。三度目の正直となる今季。「あまり今は、その数字は意識してないです」と自然体でシーズン終盤に入ったが、期するものはある。「やっぱ1回超えれば、これから何度も超える数字になると思う。1回目というのは、すごく大事なこと。なかなか結果が今年は出てないですけど、そこはしっかり超えていきたい」と力を込めた。

あと34打席でシーズン規定打席にも初到達する。「そこら辺も今年は普通にちゃんと結果を残せれば、超えられる数字」と捉えている。そのためにも、普通に最後まで試合に出続けること。入団以来、毎シーズンあった故障離脱だが、今季はここまでない。「いろいろ最低限、とりあえずクリアしたい。自分は打てなかったら出られないという、立ち位置にいる。しっかり毎試合、結果を残せるように準備したい」。最後まで全力で駆け抜け、過去の自分を超える。【木下大輔】

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