ソフトバンクが終盤の逆転劇で勝利し、対楽天の連敗を「4」で止めた。

7回に2点ビハインドを追いつき、無死二、三塁で柳町達外野手(26)が決勝の右前適時打。今月5日に第1子が生まれた新米パパが、打者一巡で一挙5得点の猛攻を呼んだ。孫正義オーナー(66)も駆けつけた「御前試合」で鮮やかな逆転勝利。4位楽天とは2・5ゲーム差に広げた。

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楽天とのCS争いをかけた本拠地3連戦。ソフトバンクは初戦で黒星を喫していた。第2ラウンドも先制を許す苦しい展開だったが、7回に5得点。打者一巡で痛快な逆転勝利には、現地観戦した孫オーナーも満面の笑みで拍手を送っていた。白星を届けた藤本博史監督(59)は「良かったですね」。こちらは穏やかな笑顔だった。

新米パパがヒーローだ。0-2の7回。無死満塁で今宮が同点打を放ち、なお二、三塁で柳町が右前に決勝打を放った。「セカンドが捕ると思ったんですけど、なんとか抜けてくれてホっとした気分でした」。今月5日には夫人が都内の病院で第1子となる男児を出産。愛息が生まれてからの初打点がV打になった。「家族が増えたので頑張らないといけない。物心がつくまではこの職業を続けられるように」。まだ26歳と若いが、必死にバットを振っている。

その後も周東の犠飛や、三森が執念のヘッドスライディングを見せて追加点。好機を作った主砲柳田と近藤の二塁打も大きかった。2点ビハインドから一気に3点差。前日8日の同戦は5回の4失点が響いて負けた。一夜明け、そっくりそのままビックイニングを披露し藤本監督は「7回は本当に全員がまとまっていってくれましたね」とうなずいた。

これで今カードは1勝1敗の五分。連敗していれば0・5差に接近され、Bクラス転落が脳裏によぎる危機だった。しかし逆に2・5差に広げた。白星と黒星では雲泥の差だったが、藤本ホークスが執念の勝利。10日の第3戦に勝てば4カード連続の勝ち越しが決まる。追いすがる楽天を突き放し、CS出場へ大きく前進したい。

3戦目、楽天はルーキー荘司が先発する。柳町は今季8打席対戦し、5打数2安打で3四球の好相性だ。「CS争いをしているチーム。簡単には勝たせてくれないと思いますが、熱い試合で勝てるようにやっていきたい」。チーム一丸で本拠地6連戦の最終戦を締める。【只松憲】

◯…今宮が逆転勝利への口火を切った。0-2の7回無死満塁で、田中将のスプリットを左中間に運んだ。同点の2点適時二塁打となり「ラストチャンスと思ったので、最後の一番いいところで打てて良かったです」とベース上で喜びを爆発し、その後の柳町の決勝打につなげた。直近5試合で5安打5打点の選手会長が頼もしい。

▽ソフトバンク三森(7回、5点目となる適時内野安打を放ち) 打ったのはチェンジアップです。絶対に追加点をと、必死に走りました。大きな追加点を取ることができてよかったです。

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