日本ハムは西武に2連敗し、7年連続でのV逸が決まった。残り19試合で全勝しても、オリックスの勝率を上回ることが出来ない。左肘の張りから復帰した先発の加藤貴之投手(31)が、3回に2被弾して5失点で自己ワーストの9敗目。新庄剛志監督(51)が就任2年目の今季は、一時4位に浮上するなどチーム改革の成果は現れているものの、12球団ワーストの1点差による30敗が響いた。

昨季、札幌ドーム最終戦。本拠地を埋めた約4万1000人を前に「来年は2位も6位も一緒です」と優勝を目指した新庄監督2度目の“旅路”は、ひとまず区切りを迎えた。西武に2連敗し、7年連続のV逸が決定。今季開幕投手を務めた加藤貴が3回に2被弾し、このイニングだけで5失点。直近10試合で4得点以上の試合は1試合という打線に、この点差をはね返す力はなく、指揮官は「仕方ない。実力がないということ」と冷静に現実を受け止めた。

「今年は(選手に)経験をさせてね。土台は出来てきた」。昨季リーグ5位だった防御率は、今季大幅に改善。FAの人的補償で獲得した田中正が守護神として定着したほか、先発から中継ぎに転向してブルペンを支えた移籍3年目の池田の活躍も大きかったが「2年そこらじゃね。急には伸びない」と、育成しながら勝つ難しさを改めて痛感した。

今季中盤には一時、4位に浮上。1点差負けが12球団最多の30敗という数字は、前向きに捉えれば、少しずつ戦える力が付いてきた証しでもある。来季続投が基本線の新庄監督は「ひっくり返す実力もあると思うし、そのためには経験(が必要)。自信を付けて、結果を出してくれるのを待つ」と飛躍を期待する。

「去年は子ども。今年は高校卒業して、世に出て行くような感じになってきた。一気に化ける可能性があるチームに間違いなくなっている。その爆発に期待したい」。残り19試合。クライマックスシリーズ進出の可能性がかろうじて残る中、来季につながる戦いを見せたい。【中島宙恵】