ラオウの復活でリーグ3連覇へ突き進む。首位オリックスは連勝が3で止まったが、2位ロッテも敗れたため優勝マジックは「8」に減った。最短の優勝決定日は19日だ。

敗戦の中での光は、主砲の1発だった。3点を追う7回1死。杉本裕太郎外野手(32)が日本ハム上原の144キロ直球を捉え、右翼スタンド中段に運んだ。「しっかりといいスイングが出来ましたし、逆方向にいい打球が飛んでくれました。今年一番良かったです」。打った瞬間に分かる完璧な当たりだった。

開幕から主軸として活躍を続けてきたが、7月は打率2割1分7厘、1本塁打と不調に陥り、8月2日に出場選手登録を抹消。最短の10日後に再昇格するも振るわず、再び19日に降格となった。「今のままじゃ無理やから、もがいてこい」。中嶋監督の言葉に奮い立った。

炎天下の舞洲で汗を流し、2軍戦で結果を残し、今月5日に再昇格。ここまで6戦連続安打、2本塁打をマークと上昇の兆しが見えている。中嶋監督も「反対方向に長打が出るのはなかなかなかった。上がってきてくれるとうれしいですけどね」と完全復活に期待した。

自身の状態に杉本は「じわじわ来ていると思います」とまだまだここから。ラオウの復調とともに、頂点へ加速していきたい。【磯綾乃】