中日根尾昂投手(23)がまたも好投しながらプロ初勝利を逃した。5四球を与えながらも6回を5安打1失点。2回に適時内野安打で許した失点だけの粘投だったが、白星には結びつかなかった。それでも降板後にチームは逆転し、今季先発2試合は2戦2勝。負けない右腕を印象づけた。

試合後は反省が口をついた。「もう1つ粘り切れなかった。1失点も四球から。課題が残った」。3回は3者凡退。門脇、坂本、岡本和の3人を直球で内野ゴロと飛球に仕留めた。「真っすぐで押せて良かった」。収穫には表情も緩んだ。

大阪桐蔭時代は二刀流で甲子園春夏連覇を達成。18年ドラフト1位で入団後は野手に専念していたが、昨季途中に異例の投手転向を決断した。今季は先発ローテ入りを目指しながら、制球難もあって出遅れた。2軍調整を経て9月18日広島戦で今季初登板初先発し、7回途中を4失点(自責0)。6点リードの7回に味方の失策も絡んで崩れ、チームも追いつかれて白星を逃していた。

白星を手にできないまま、今季の登板機会は終わった。「こっちに流れが来る投球をしたい。勝てる投手を目指したい」。みやざきフェニックス・リーグ、秋季キャンプ…。右腕の視線はすでに来季の1軍マウンドを見据えていた。【伊東大介】

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