前夜に悔し涙を流した阪神森下翔太外野手(23)が、代打で意地のヒットを放った。同点の8回1死に登場。「CSに一番いい状況に持っていくためにも、変化を加えた」。カウント2-0から広島島内の154キロ直球に足を上げて強振し、三塁線を破る安打。すり足ぎみの打撃フォームから、自分で考え抜いて修正して欲しかった1本が出た。

「一番は次の試合につながることだと思っている。どんな形であれヒットが出てよかったです」

前日29日DeNA戦では、満塁の好機で空振り三振を喫し、ベンチで涙を流した。一夜明けたこの日はベンチスタートで、試合前には室内練習場で打撃練習。不振を打開するため、懸命にバットを振った。

前夜に厳しい言葉を並べた岡田監督も一安心だ。「ちゃんとストライクを振ったやんか」。続けて「(復調のきっかけかは)そら分からんわ。18日にちゃんと打ったらええんやから、はっきり言うて」とCS本番までに克服することを促した。

限られた打席数でまずは結果を出した背番号1。CS突破と「日本一」のためにも、3番候補の復調は必要不可欠だ。そのことは本人ももちろん、自覚している。「(安打が)出なくても使ってもらっていた。なんとかそこは結果で返さないといけない。チームが勝つために何かできれば」。10月18日に最高の状態を迎えるため、黄金ルーキーは試行錯誤する。【三宅ひとみ】