降雨のため30分遅れでスタート。不穏な雰囲気を変えたのは、ロッテ岡大海外野手だった。0-0の2回1死から山口が三塁線を破る二塁打を放つと、岡が楽天先発則本の146キロ直球に詰まりながらも、右前に先制適時打を落とした。「とにかく今日を勝つために打席に立ってます。まずは先制出来て良かったです」。シーズン最終戦でのCS争い直接対決の主導権を握った。

雨天中止で仕切り直しの一戦も、試合前から雨空。練習も室内に移動した。アップ後、吉井監督がスタッフを含めた選手全員を集めた。中心に立った指揮官は「緊張するのは当たり前。しない方がおかしい。我々は戦うのみ。自分たちの出来ることをやってください」。人間心理を交えながら伝えた。

そして最後に、「安田、ひと言」。春季キャンプから冗談なども含めて声をかけて寄り添ってきた愛弟子を指名した。安田は「ONE TEAMで頑張りましょう。さあ、行こう」。だが、少し声が小さかったため、仲間の反応は薄く沈黙。“空振り”で“打ち直し”。再び、「チーム一丸となって戦って勝ちましょう。さあ、行こう!」と声を張り上げて盛り上げた。

その安田が満員の楽天ファンを沈黙させた。4回2死走者なしで、2-2からの6球目。151キロ外角直球を捉えると、高く上がった打球は左翼ポールに直撃した。キャリアハイの9号ソロ。「追加点を取りたかったので、とにかくなんとかしたかった。きれるかなと思ったのですが、ホームランになってくれて良かったです」。右翼席でともに戦うロッテファンからの大歓声を浴びた。

先発の小島も初回1死満塁で岡島を遊ゴロ併殺に仕留めて乗り切った。4回2死三塁でも太田を内角直球で空振り三振。豪快なガッツポーズを繰り返す気迫の表情を見せた。

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